政治ニュースサイトPoliticoは7月11日、米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿でバイデンに大統領選からの撤退を呼びかけた民主党支持者で俳優のジョージ・クルーニーが、事前にオバマ前大統領にその計画を相談したが、オバマは彼を止めなかったと報じた。オバマは公にはバイデン大統領を支持すると表明しているが、この報道は、オバマの本心についての疑問を投げかけている。
「バイデン陣営と多くの民主党関係者は、バラク・オバマが水面下でこの動きを画策したと信じている」と、MSNBCのモーニング・ジョーの司会者のジョー・スカーボローは11日に述べた。共演者のミカ・ブレジンスキーも同意し、「これはジョージ・クルーニーの仕業ではない」と視聴者に伝え、「バラク・オバマは大きな影響力を持っており、そこには多くの要素があると思う」と語った。
バイデンとオバマの2人は「家族のようだ」と表現されていたが、その長年のパートナーシップはしばしば緊張を伴うものだった。この緊張は、気ままなバイデンと規律正しいオバマとの性格の不一致に起因し、下級スタッフにもその影響が及んでいたという。
バイデンが、2016年の大統領選挙に出馬しないように勧めたオバマや党内の他の人々の助言を受け入れたことを、深く悔やんでいることは広く報じられている。この背景には、当時副大統領だったバイデンが2015年に長男のボーを亡くして失意の中にあったことや、ヒラリー・クリントンがトランプに勝つ可能性が高いと考えられていたことなどがある。
バイデンは最近のインタビューで、「多くの人が私に(2016年の)出馬を勧めたが、オバマはその例外だった」と述べて、当時の悔しさをほのめかしていた。
2人がホワイトハウスにいた期間中、オバマのスタッフはしばしばバイデンの失言や話の脱線をからかっていたと、元報道官のジェン・サキは、2020年にPoliticoに語っていた。オバマ自身も2009年の記者会見でバイデンの経済刺激策の評価について記者に尋ねられた際、「正直なところ、ジョーが何を指していたのか正確には覚えていない」と述べ、バイデンを軽く見ていることを匂わせた。
2012年のオバマの再選キャンペーン中、バイデンはテレビインタビューでオバマよりも先に同性婚を支持する発言をし、これは多くの支持者には歓迎されたが、計画を狂わされたオバマのスタッフは苛立った。