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2024.07.12 17:00

韓国のモバイルゲーム会社Shift Upが上場、創業者がビリオネアに

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韓国のゲーム開発会社Shift Up(シフトアップ)は7月11日、韓国取引所に上場した。韓国で今年最も期待された新規株式公開(IPO)の1つに挙げられた同社の上場によって、創業者でCEOのキム・ヒョンテはビリオネアになった。

シフトアップの株価は、取引開始の初日にIPO価格を18%上回る7万1000ウォンで取引を終えた。この上場で4350億ウォンを調達した同社の時価総額は約4兆1000億ウォン(約4770億円)に達し、韓国で上場しているオンラインゲーム会社としては、クラフンやネットマーブル、NCソフトに次ぐ時価総額で4位の企業となった。

現在45歳のキムは、シフトアップの株式の39%を保有している。彼の妻も約0.5%を保有しており、フォーブスは、キム夫妻の保有資産を10億ドルと推定している。

2013年にキムによって設立されたシフトアップの投資家には、中国のテンセントや韓国のゲーム会社のウィーメイド、カカオベンチャーズなどが含まれている。

売上高で世界最大のゲームパブリッシャーであるテンセントは、創業者のキムに次ぐシフトアップの第2位の株主で、シンガポールの子会社を通じて35%の株式を所有している。テンセントは、シフトアップの人気ゲーム『勝利の女神:NIKKE』のディストリビューターを務めている。

シフトアップの2023年の年間売上高は前年比155%増の1690億ウォン(約196億円)に達し、純利益は前年の70億ウォンの赤字から1070億ウォンに増加した。同社の収益のほぼすべて(97%)は、主力ゲームである『勝利の女神:NIKKE』によるものだ。

このゲームは、アニメのグラフィックを使用したサードパーソン・シューティングゲームで、日本のゲームでよく使用される「ガチャ」と呼ばれる課金の手法をとっている。中国の開発会社のmiHoYoが開発した『原神』もアニメ風のグラフィックとガチャの手法を採用して収益を上げ、プレイヤーを夢中にさせている。

世界最速のインターネット速度を誇る韓国は、MMORPGと呼ばれる多人数参加型のオンラインゲームを最も初期に普及させた国の1つで、NCソフトは1998年に『リネージュ』と呼ばれるこのカテゴリのゲームを発表した。また、2003年にはネクソンが『メイプルストーリー』というMMORPGのゲームを発表していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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