レジ袋禁止の動きは、とりわけアフリカ諸国で顕著だ。しかし、禁止せず有料化(または課税対象化)して使用量を抑えている国と地域が26カ所あり、多くが欧州だ。とはいえ、その数は減りつつある。より薄手の小さなプラスチック袋も禁止対象に含めるケースが増えているからだ。そうした袋はあまり再利用されず、ゴミになってしまうことが多い。
発展途上国は、プラスチック廃棄物がきちんと処理されず問題になることが多いため、特定の種類のレジ袋を全面的に禁止する傾向が強い。アフリカがプラスチック袋禁止で一歩先を行っているのは、メーカーがロビー活動を展開して政治家に圧力をかけることがないためだ。
有料化する国が多い欧州で注目すべき例外は、フランス、イタリア、そして2022年以降のドイツだ。これらの国では、特定の薄型プラスチック袋を禁止し、代わりに生分解性があり堆肥化が可能なタイプの使用を義務付けている。同様の規制を取り入れている国や地域は世界でも非常に多い。
欧州では2021年と2022年に、使い捨てプラスチック製のマドラーやストロー、皿、フォークやスプーン、ナイフなどの流通を禁止する指令が発効した。ただしこの指令には、ポリマー製袋の禁止は盛り込まれていない。
EU加盟国の一部は独自にプラスチック袋を禁止しているが、たいていは厚さ15~50μmの軽量タイプだ。EUでは2024年3月に新法が合意に達し、いずれ加盟各国に適用される。新法が対象にしているのは、ばら売りの果物や野菜に使用されることが多い、厚さ15μm未満の非常に薄いプラスチック袋だ。また、シャンプーや化粧品の小型容器、ケチャップやソースの小袋、旅行用圧縮袋なども禁止対象となる。
プラスチック袋禁止の厳格さや実施の程度は国によってまちまちだが、堆肥化できないプラスチック袋を全面禁止にしている国はごく一部だ。多くの国は、丈夫で再利用しやすいプラスチック袋を禁止対象から除外する一方で有料化し、消費者に金銭的負担を求めている。
禁止の一部となり得るその他の規制としては、プラスチック袋の製造や輸入を制限したり、さまざまな方法で課税したりするやり方がある。
後れを取る米国
中国は2008年に薄型プラスチック袋を禁止すると同時に、丈夫なプラスチック袋を有料化した。2020年末には、主要都市で堆肥化できないプラスチック袋を禁止。この措置は2022年に中国全体に拡大適用された。生鮮食品市場での使用はまだ免除されているが、2025年からは禁止される予定だ。インドでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行初期に当初の禁止方針を撤回したものの、2022年にはさまざまなタイプの使い捨てプラスチック製品の使用を禁止した。一部の薄型プラスチック袋も禁止対象だ。
米国では、全米規模のプラスチック袋の禁止や有料化はまだ導入されていない。しかし、カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州、ニューヨーク州、コロラド州などの州ではプラスチック袋に関する法律が施行されている。また、全米の多数の市や町で近年、プラスチック袋を禁止する動きがあり、それに伴って紙袋が有料化されるケースが多い。
オーストラリアでは、何らかのタイプのプラスチック袋がすべての州で禁止されている。
(forbes.com 原文)