2021年にマイクロソフトが買収したザンダーは、広告主がユーザーの個々の興味や特性に基づいてウェブサイトやモバイルアプリ上の広告スペースを購入できる入札プラットフォームを提供するアドテク企業だ。
ウィーンを拠点とするプライバシー保護団体のNoybは7月9日の声明で、ターゲティング広告のために数百万人もの欧州の人々の個人情報を収集するザンダーが、欧州の一般データ保護規則(GDPR)に違反しているとして、申し立てを行ったと発表した。この申し立ては、匿名のイタリア人の男性からの苦情を受けてのものという。
この男性は、ザンダーに自身のデータへのアクセスを求めたが、同社は彼のデータを特定できないと主張し、データへのアクセスおよびその消去を拒否したとNoybは述べている。
「ザンダーの事業が、何百万もの欧州の人々のデータを保持し、彼らをターゲットとすることに依存していることは明らかだ」と、Noybの弁護士は述べている。
Nyobによると、ザンダーが収集するデータには、個人の健康や性的嗜好、政治的意見、宗教、財務状況などのきわめてセンシティブな情報が含まれており、同社がそのデータへのアクセスや削除の依頼にまったく応じていないことは、重大な懸念を生じさせるという。
Nyobはまた、ザンダーのデータが不正確で混乱していると主張し、苦情を申し立てた男性の年齢や収入、職業などが、誤って記録されていたとも主張している。
「ザンダーのデータセットには矛盾する情報が混在している。彼らは、広告主に正確な情報を提供することにあまり関心がないようだ」とNyobの弁護士は述べている。
Nyobは現在、イタリアのデータ保護当局に対し、透明性の問題やアクセス権およびユーザーに関する不正確な情報の使用に関するGDPRの苦情を提出している。Nyobは、ザンダーの年間売上高の最大4%の罰金を課すことを当局に求めている。
マイクロソフトの広報担当者は、「当社は、規制当局からの質問にはいつでも回答する用意ができている」とコメントした。
(forbes.com 原文)