ペプシコは、特に小さいサイズの製品群において、価格戦略の改善により今後も好調さが維持されるだろう。私たちは、ペプシコが第2四半期も順調に推移すると考えているだけでなく、株価にも上昇の余地が残されていると考えている。ペプシコの業績を左右する注視すべき点として、どのようなものがあるだろうか?
株価パフォーマンス
まず、直近数年間におけるPEPのパフォーマンスを見てみよう。PEPは2021年1月初旬につけた150ドル台から現在の160ドル前後の水準まで、わずかながら上昇した。これに対してS&P500種株価指数は同期間で約45%上昇している。PEPのリターンは、2021年に17%、2022年は4%、2023年はマイナス6%だった。一方、S&P500のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、PEPのリターンは2021年と2023年にS&P500を下回っている。バリュエーションの観点からは、PEPには上昇の余地があると考える。私たちはペプシコの目標株価を186ドルとしており、これは現在の株価から約13%高い水準だ。2024年の年間EPSの予測値である8.15ドルに23倍のPER(株価収益率)を掛け合わせ、目標株価を算出した。23倍のPERは、同株のPERの過去4年間における平均値と一致する。
直近の決算動向
前四半期におけるペプシコの売上高は182億5000万ドル(約3兆円)で、販売数量が2%減少したものの、販売価格が5%上昇したことにより、既存事業の売上高は3%増加した。同四半期では、オーツ食品などを手がけるクエーカーフーズ部門を除く、すべての部門で売上が増加した。米国食品医薬品局(FDA)は、サルモネラ菌に汚染されている可能性があるとして、30種類以上のクエーカーオーツ製品のリコールを命じた。このリコールは第1四半期における同部門の業績に大きな影響を与え、同部門の売上高は前年同期比24%減、営業利益は126%減となった。しかし、ペプシコ全体の連結営業利益は前年同期比3%増となり、営業利益率も0.2ポイント改善した。増収と利益率の拡大により、調整後のEPSは前年同期比7%増の1.61ドルとなった。
今後発表される第2四半期では、販売価格の改善などにより、業績の成長が続くと考える。しかし一方で、米国における個人消費の低迷が業績を圧迫する可能性には注意する必要があるだろう。さらに、クエーカーフーズ部門は引き続きリコールによる逆風に直面する。そうした背景もあり、ペプシコの売上高、利益ともに大幅な伸びは期待できないであろう。ペプシコは2024年における年間売上高成長率の目標を4%とするが、全体的な販売量の減少を考えると、その達成は難しそうだ。
(forbes.com原文)