欧州

2024.07.11 09:30

ポーランド、残りのMiG-29十数機もウクライナに供与する可能性

ポーランド空軍のMiG-29戦闘機。2016年6月、ドイツ・ベルリン(VanderWolf Images / Shutterstock.com)

ポーランド空軍のMiG-29戦闘機。2016年6月、ドイツ・ベルリン(VanderWolf Images / Shutterstock.com)

ポーランドは残りのMiG-29戦闘機をウクライナに供与する可能性を示唆した。実現すれば、ウクライナ空軍のMiG-29の保有数は2022年2月の戦争拡大前の水準まで回復するかもしれない。ウクライナ空軍はF-16戦闘機とミラージュ2000戦闘機の到着も待っている。

とはいえ、ウクライナ空軍が現在、最も緊急に必要としているものは新たな戦闘機ではない。それは、駐機中の現有機を守るための防空装備だ。防空装備が手薄なまま戦闘機を増やしても、1回も出撃する前に地上で撃破される事態にもなりかねない。

ポーランド空軍のMiG-29は、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領とポーランドのドナルド・トゥスク首相が8日、ワルシャワで2国間の安全保障協定に署名した際に話題にのぼった。

トゥスクは記者会見で、ポーランド空軍がMiG-29に代わる新たな戦闘機を取得できるまで北大西洋条約機構(NATO)の同盟国がポーランド領空の哨戒活動を支援してくれる場合に限り、MiG-29をウクライナに譲渡してもよいとの考えを示した。「ミグは現在、警備任務を実施しているので、いますぐ引き渡すことはできない」と説明した。

しかし、ポーランド空軍の15機前後のMiG-29戦闘機が領空警備任務を外れても、大きな問題にはならないはずだ。NATOは普段から、米国や英国、フランス、ドイツといった大国の加盟国の戦闘機部隊を、より小規模な加盟国の上空の哨戒に振り向けている。エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国は戦闘機を保有すらしておらず、これまでずっとほかの同盟国の戦闘機が上空の哨戒にあたってきた。

ポーランドはいずれ、残りのMiG-29もウクライナに譲渡するとみていいだろう。ウクライナは持ちこたえられないペースで戦闘機を失っており、必要性は明白だ。先週にはおそらく3日連続で、飛行場に飛来したロシア軍の偵察ドローンに駐機中の目標を発見されたあと、イスカンデル弾道ミサイルを撃ち込まれ、貴重な戦闘機少なくとも3機を失っている。うち1機はMiG-29だった。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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