サムスン最大の労組である全国サムスン電子労働組合は当初、第1次ストを8日から3日間行った後、15日から5日間の第2次ストに入る計画だったが、計画を変更してこの日から無期限ストに突入した。聯合ニュースによると労組は、無期限ストに突入した理由を、第1次ストの期間中に会社側がいかなる対話も試みることがなかったためだと説明したという。
現在約6500人の組合員がストに参加しており、そのうち5000人以上がサムスンの半導体部門の人員だという。
サムスンは複数のメディアに対し、このストによる混乱は今のところ起きていないと述べている。しかし、組合はウェブサイト上で、「ライン生産の明確な混乱を確認した」と主張し、対話を拒否する会社側が、その決定を「後悔することになるだろう」と警告した。
ブルームバーグによると、組合はまず小規模なチップ製造工場をターゲットとし、その後、京畿道平沢市にある広帯域メモリチップ生産施設に焦点を当てる計画だという。
組合側の要求には、組合員全員の基本給を3.5%引き上げることやボーナスの支給体系の見直し、組合の創立記念日に特別休暇を付与することなどが含まれている。
全国サムスン電子労働組合には、サムスン電子の約12万5000人の全従業員の約4分の1にあたる約3万1000人が参加している。
サムスンは世界最大のメモリチップメーカーであり、人工知能(AI)ブームの中で同社のチップ部門は、会社の利益の主要な原動力となっている。調査会社のトレンドフォースによると、サムスンは、コンピュータやスマートフォン、サーバーに不可欠なコンポーネントであるDRAMチップの世界市場で45.5%のシェアを占め、NANDフラッシュメモリチップの世界市場においても36.6%を占めている。
しかし、サムスンは、エヌビディアに自社の広帯域メモリ(HBM)を納品するためのテストにまだ合格しておらず、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、さらなる技術的作業が必要だと示唆するなど難題にぶつかっている。
ブルームバーグは、サムスンのHBM製造のほとんどは自動化されているが、ストライキによる混乱は同社が競合のSKハイニックスに打ち勝ち、エヌビディアのHBMのサプライヤーになるための努力を無駄にする可能性があると指摘している。
(forbes.com 原文)