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2024.07.11 11:00

インフレ下で高騰する商品市場 銀、石油、金の動向を探る

注目に値するのは、IEAの見通しが他のいくつかの見通しと対照的である点だ。たとえばゴールドマン・サックス・リサーチは、石油需要は2034年まで伸び続け、日量1億1000万バレルに達する可能性があると予想。その主な要因として、アジアの新興市場と石油化学産業からの需要増を挙げている。

ゴールドマン、金価格2700ドルを予想

そして最後に、金である。金は年初来で12.8%上昇し、多くの主要資産クラスをアウトパフォームした。高金利とドル高という、通常であれば金にとって厳しい環境下だという事実を考慮すると、このパフォーマンスはとりわけ印象的だ。

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は2024年中間見通しで、中銀の需要は2023年の金のパフォーマンスの少なくとも10%に貢献し、今年の貢献度もすでに約5%に上っていると見積もっている。

2024年も輝きを増す金の強さの背景にはいったい何があるのかといえば、それはもうさまざまな要因が重なり合った結果といえる。各国中央銀行による買いは継続し、アジアからの投資の流れは力強く、消費者需要は堅調で、地政学的不確実性が低下する兆しはない。

今後について、ゴールドマンは年末までに金価格が1トロイオンス=2700ドルに達するとの強気見通しを示している。これは現行水準比で約16%の上昇となる。価格上昇の主な推進力としては、新興市場の中銀とアジアの家計からの堅調な需要を挙げている。

筆者を含む多くの投資家は、インフレと地政学的リスクの両方に対するヘッジとして金の可能性を高く評価している。特に、貿易摩擦が激化した場合、金は株式市場の変動に対する緩衝材となり得る。また、米国の債務負担に対する懸念が高まったり、新政権下で連邦準備制度理事会(FRB)の政策が転換したりすれば、金価格はさらに上昇する可能性がある。

2024年後半に向けて、商品市場は引き続き魅力的な機会を提供するだろう。特にグリーンエネルギー分野における銀の産業需要は、説得力ある成長ストーリーを示している。一方の石油は、再生可能エネルギーへの移行が世界的に推進される中でも、特に新興国にとって重要な資源であることに変わりはない。そして、永遠の安全資産である金は、不確実な時代にその価値を証明し続けている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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