サイエンス

2024.07.16 16:45

微小なシャボン玉で気体を自在に運搬する技術

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ポリマー粒子で気体を包み込み、安定的に保持する研究が進められている。マイクロ流体工学、食品、バイオなどの分野で素材を運ぶ手段として注目される技術だ。そのひとつに「ガスマーブル」と呼ばれるシャボン玉のような構造体があるが、その膜を保持したり割ったりする方法は未解明だった。大阪工業大学は、安定的なガスマーブルを作り、さらに任意のタイミングでそれを割る技術を開発した。

シャボン玉は、洗剤の界面活性剤分子が水の膜に吸着することで、膜が壊れずに中の空気を保持して丸い形を保つことができる。だが、水が蒸発すると割れる。大阪工業大学が開発したガスマーブルは、pHによって水になじまない状態から水になじむ状態に変化する特別なポリマー(高分子)粒子を水の膜に吸着させることで、水の中でも空気中でも安定して膜を保ち、中の気体を保持できる。しかも、酸性に触れると膜は親水化して割れる。そのため、ガスマーブルで包んだ気体を目的地に運び、そこで割って気体を放出させることが可能になる。

気体の運搬方法は、産業界でも学術界でも注目の技術だという。また、外部刺激で安定性を制御できる水陸両生のガスマーブルは画期的なも発見であり、材料となるポリマー粒子のサイズや形状を変えることで汎用性が増し、大量生産が可能になれば、ガス貯蔵材料として、さらに軽量で高性能な断熱材への応用も考えられるということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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