食&酒

2024.07.13 16:00

メキシコの地方色豊かな蒸留酒、メスカルの最高峰

Forbes JAPAN本誌で連載中の『美酒のある風景』。今回は7月号(5月24日発売)より、「クラセアスール・メスカル・ サンルイスポトシ」。柑橘のフレッシュネスや紅茶やビールなどのほろ苦さも感じられるより複雑な味わいが魅力の1本だ。


シーズンごとに移ろいゆくファッションのトレンドは、その2年ほど前に行われる流行色の国際会議で決められているというが、酒についてはどうだろう。関係者が集まって「これからどんな酒を流行らせようか」と議論している様は想像しにくいのだけれど、小規模でつくれて製法も自由度が高いという生産背景からクラフトビールやジンのブームが生まれたように、生産者の都合はある程度影響しているに違いない。
 
一方で、バーテンダーやソムリエたちにより、今まであまり知られてこなかったマイナーな存在に光があてられることもある。その最たる例がメスカルだ。メキシコ原産であるメスカルは、バーカルチャーの先端ともいえるNYのバーテンダーたちに見いだされ、多くのカクテルに使われることで、徐々に知名度を上げてきた。
 
ではメスカルとは何か。簡単におさらいしておくとアガベ(リュウゼツラン)を主原料とするメキシコ産の蒸留酒の総称である。と聞くとテキーラを想起する方も多いだろうが、テキーラは原料のアガベが1種に定められており、原産地もメキシコ内の5州のみに制限されている、いわばワインにおけるシャンパーニュのような存在。片やメスカルは50種以上のアガベの使用が認められており、製法の自由度も高く、種類が豊富。世界的な流行となるポテンシャルをフルに備えた、注目の酒なのだ。

「もともとは大衆的な酒でしたが、高品質な原料と伝統的な製法にこだわり、ほかのメスカルと一線を画しているのが『クラセアスール・メスカル・サンルイスポトシ』。メスカルは一般にテキーラよりスモーキーといわれていますが、これは柑橘のフレッシュネスや紅茶やビールなどのほろ苦さも感じられるより複雑な味わいが魅力です。時間の経過とともに香りもたつので、ゆっくりと味わっていただきたいですね」
 
そう語るのはデザートコースを提供するレストラン「ラニギロ」の今野雄貴マネージャーだ。薦めてくれたのは、すじ青のりを使ったミルクレープと「クラセアスール・メスカル・サンルイスポトシ」をストレートで。のりの磯の風味からメスカルのハーバルな印象が増幅し、広がっていくセンセーションに、メキシコの人が味わったらどんな感想が聞けるだろうと思わず頬が緩む。メキシコの地方色豊かな地酒が海をわたり、世界のガストロノミーと出会うことで新たな価値を創造していく、その瞬間に立ち会うことができた。

クラセアスール・メスカル・サンルイスポトシ


容 量|750ml
度 数|43度
価 格|38500円(税込)
問い合わせクラセアスールアジア

今宵の一杯はここで

LANIGIRO
ガストロノミックに昇華されたデザートレストラン

「『クラセアスール』はデキャンタの美しさも唯一無二」と今野マネージャー。

「『クラセアスール』はデキャンタの美しさも唯一無二」と今野マネージャー。

話題の麻布台ヒルズの一角。甘い香りを漂わせて菓子が焼き上がるオープンキッチンの傍らに、小さく切り取られたドアを開けると……そこは1回に4名だけがデザートのコースを楽しめる隠れ家のようなレストランだ。デザートといっても甘いだけではない、ガストロノミックに仕立てられた9皿のコースにはアルコールがペアリングされ、食事に匹敵する、否、それ以上の満足感が得られる。

「すじ青のりとホワイトチョコレートのミルクレープ」は2万5000円(税サ込)コースの一皿。

「すじ青のりとホワイトチョコレートのミルクレープ」は2万5000円(税サ込)コースの一皿。


LANIGIRO
住所/東京都港区麻布台1-2-4
ガーデンプラザC B1
電話/03-5544-8747
営業時間/ブティック11:00〜18:00、
レストラン11:30〜、14:00〜、18:00〜の一斉スタート ※完全予約制
休/レストランのみ日曜・月曜

写真=菅野祐二 文・構成=秋山 都

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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