そんな中、中国で新たに設立されたあるVCは、テクノロジーに精通した学者たちをアーリーステージの投資家として引き込むというアプローチを取っている。iCANXファンドと呼ばれるこのファンドは、北京の投資会社のInnoLinkと、北京大学で半導体を研究する教授の張海霞(Haixia Alice Zhang)をゼネラルパートナーに迎えている。張は、毎年20カ国以上から2万人の参加者を集めるiCAN国際イノベーションコンテストの創設者としても知られている。
iCANXファンドは、これまで約15人の学者から約5000万人民元(約11億円)を集めている。
中国のシリコンバレーと呼ばれる北京の中関村にある中関村智友研究所(Zhongguancun Zhiyou Research Institute)の王天茂所長は6月26日の記者会見で、「学者は技術の最先端にいるが、抽象的なアイデアに集中しがちだ」と語った。
「彼らは研究室から一歩踏み出し、ハイテク企業として新たな旅を探索する必要がある」と述べた王は、同ファンドの投資委員会のメンバーであり、北京航空航天大学ロボティクス研究所の名誉所長でもある。
こうした努力は、AIによる変革が世界の経済競争力を揺るがすという期待の中で行われている。先週、上海で開催されたカンファレンスの世界人工知能大会には、バイドゥCEOのロビン・リーらが登壇した。
フォーブスが世界最高の投資家を選ぶ『ミダス・リスト』の2024年版には、中国から16人がランクインした。しかし、中国はトップの座を失い、上位10人から2人が脱落した。
(forbes.com 原文)