原子力の復活
故アンドリュー・グローブ(インテルの元CEO)は、人生の仕事として原子力よりも半導体を選んだことは幸運だったと語っている。ハンガリー生まれのグローブは、ソビエト占領下の祖国から米国に逃れ、1963年にカリフォルニア大学バークレー校で化学工学の博士号を取得した。当時、民間の原子力産業は若く魅力的で、世界中の最も優秀な物理学者や化学工学者を惹きつけていた。一方、集積回路(IC)は1958年まで存在すらしていなかった。原子力は将来性にもかかわらず、その期待は次第に薄れていった。原子力は公衆の信頼を失い、今日では世界のエネルギー供給構成のわずか4%、電力の10%を供給しているにすぎない。
だが現在、原子力は再び注目を集めている。カーボンニュートラルな経済への動きと、AI対応のデータセンターやEV(電気自動車)からの需要急増が相まって、今後数十年で原子力がはるかに大きな役割を果たすことになるだろう。原子力を、ベースロードの電力(安定的に供給される基礎的な電力)における石炭の代替と考えてみよう。現在、石炭はエネルギー構成の26%を占めているため、原子力には大きな成長の余地がある。
ロボット大国としての中国
中国の製造業と輸出の推進は、外部からは理解しがたく、世界はそれに対して投資ではなく懐疑と関税で応じている。なぜ中国は、世界が望まないかもしれないものをせっせと作っているのだろうか? いくつかの可能性がある。1つ目の可能性は、不動産バブル崩壊と新型コロナウイルス後の景気の減速を受けて、人々の雇用を維持するためだ。2つ目は、懐疑論者でもやがて1万ドルのEVを欲しがるだろうと中国が考え、その日を待つためだ。そして3つ目は、強力な軍隊を支えるための世界クラスの製造基盤を構築することだ。あるいは、単に世界的な優位性の追求かもしれない。