経済・社会

2024.07.10 18:00

「原子力・ロボット・反乱」 予測が難しい未来に確かに起こること

米国のシンクタンク、マクロポロ(MacroPolo)のダミアン・マは「中国は国家版アマゾンになりたがっている。アマゾンがあらゆるものを売る店なら、中国は『あらゆるものを作る』国になりたくて、完全なサプライチェーンを中国にもたらすというビジョンがあるのだ」と述べている。

理由がどうであれ、中国の労働力不足が深刻化するのは確実だ。国は急速に高齢化し、出生率は急落している。高学歴者は工場で働くことを拒否している。したがって、中国はロボットに全速力で取り組まざるを得ない。つまり、中国はロボットなしには経済を成長させることができないのだ。世界のロボットブームは中国を中心に展開されるだろう。

世界のロボットブームは中国を中心に展開されるだろう(humphery / Shutterstock.com)

世界のロボットブームは中国を中心に展開されるだろう(humphery / Shutterstock.com)

文化的な自律を求める反乱

インドの最近の選挙(ナレンドラ・モディ首相にとっての後退)と、6月の欧州連合(EU)議会選挙(右傾化)は、多くのメディア評論家を驚かせた。しかし、これらの結果は驚くべきものではなかった。世界中で大衆がエリートに反発しているのだ。メディアは、これらの結果を最悪のイメージで描こうと熱心で、ファシズムの臭いのする右翼ポピュリズム(大衆迎合主義)とレッテルを貼る。しかし、この傾向をより正確に表現するなら、より大きな文化的な自律を求める有権者の願望と呼べるだろう。
米国では、奇妙に持続するドナルド・トランプの人気は、沿岸部以外の州、中小都市、大都市の外縁部である郊外に基盤がある。これらの地域の市民の大半は、貧困でも無教養でもない。彼らは大手メディア、政府官僚機構、裁判所に服従させられていると感じているのだ。

世界中で見られるこの反乱は、過去のポピュリスト的な反乱とは異なり、経済だけの問題ではない。それは文化の問題でもある。多くの人々が自らの文化を失い、メディアや偉そうに振る舞う隣人が指示するように生きることを嫌っていることが明らかになったのだ。規制の厳しい場所(ニューヨーク市のレストラン経営者やオランダのジャガイモ農家を想像してみてほしい)で小規模事業を営むことは、コンプライアンスに関する書類の山に埋もれてしまうようなものだ。この世界的な大衆の反乱は、すぐに終わることはないだろう。そして、その反乱の終焉が、暴力によって行われないことを祈ろう。
り大きな文化的な自律を求めて世界中で大衆がエリートに反発している(Elke Scholiers/Getty Images)

り大きな文化的な自律を求めて世界中で大衆がエリートに反発している(Elke Scholiers/Getty Images)

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事