働き方

2024.07.19 08:15

転職先で避けるべき「前職との比較」 反感を買わずに活躍するには?

Shutterstock.com

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昔、転職したばかりの時に自ら炎上したことがある。他社からやってきて数カ月後に、「〇〇すべきだ」「こういう考え方をみんな持とう」などなどと全社の前で発表し、大反感を食らった。その後、火消しに数カ月かかったのは言うまでもない。

やる気満々で転職した僕は、入社後にいろんな社員の話を聞いて回り、組織課題の解像度を上げていった。解像度が上がれば上がるほど、自分が経験してきたことは違うことに気がつき、違和感を覚えた。そして自らこの問題を解決しようと言わんばかりに、自分の常識に当てはめて方向性を打ち出し、既存のメンバーの反感を買った。

「前職では~」という発言をする。言わずとも、前職と比べて考えてしまう。そして、どうにも居心地が悪くなる。これは、多くの転職者が多かれ少なかれ経験することではないだろうか。特にはじめての転職、長く勤めた会社からの転職の際に起こりやすい。

転職先で自分の経験を活かして早く活躍したい、ただただその純粋な意欲から、自分の経験という使いやすい武器を出す。ただこの武器はたいていの場合、もとからそこにいる社員の反感を買うことになる。なぜなら、あなたは新しい会社に入ったのだ、前職で仕事をしているわけではない。

前職とは歴史も社風も人も何もかもが異なる。同じ業界、同じ職種であっても色々な前提が異なる。受け入れ側の社員にとっては、自分たちが日々取り組んでいることにいきなり違うボールを投げ込まれた格好になる。これはロジックの問題ではなく、感情論なのだ。私のように炎上すればわかりやすく、素直に反省すればいいが、相手に何となく不快感を与えてしまう場合、不和が長続きしかねない。

もちろんあなたは過去の経験を買われて採用されたわけだ。それを活かしてほしいという期待があるのも間違いない。それを言動に移すときに大事なのは、「前職では」「〇〇社では」という枕詞をつけないこと。自分の意見として「こういう考えはどうですか?」と目の前の課題に当てはめる形で提案するだけで印象が全く違う。

その際に、新しい会社の言葉を使えているかも意識したい。同じ意味でも会社によって使う言葉は違う。人は普段使わない言葉に敏感なものだ。
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