宇宙

2024.07.09 18:00

月とレグルスが接近、NYでは「マンハッタンヘンジ」が楽しめる今週の夜空

2024年6月13日にニューヨークで観測されたマンハッタンヘンジ(Liao Pan/China News Service/VCG via Getty Images)

2024年6月13日にニューヨークで観測されたマンハッタンヘンジ(Liao Pan/China News Service/VCG via Getty Images)

新月の翌週は、日没後に外へ出て西の空をみる絶好のチャンスだ。今週、満ちていく三日月が、しし座の一等星レグルスに接近し、北米では月がおとめ座の最も明るい星、スピカを隠すスピカ食を見ることができる。さらに、木星がおうし座の「牛の目」、アルデバランと接近するところを見るチャンスもある。

また現地時間7月12日と13日の日没時にニューヨークでは、2024年3回目と4回目の「マンハッタンヘンジ」を見ることができる。

今週の星空観賞と天文について知っておくべきことを以下に述べる。

7月9日(火曜日):三日月とレグルス

日没後に西を見ると、輝面比10%の満ちていく三日月の暗い側に「地球照」が見える。その繊細な輝きは、太陽の光が地球の海や氷冠に反射して月面を照らすことで生まれる。日没のすぐ後には、地平線近くのごく低い位置で金星を垣間見られるかもしれない。金星と月の間には薄暗い水星がある。周囲が暗くなるにつれ、月の左すぐ近くにしし座の一等星レグルスが見えてくる。

7月10日(水曜日):木星とアルデバランが最接近

日の出の1時間前に東北東を見ると、木星がおうし座で最も明るい星、アルデバランのすぐ上に輝く美しい光景が見える。両者は約5度の距離まで近づく。ペアの上には火星とプレアデス星団が、北東にはぎょしゃ座の明るい星、カペラがある。 

またこの日、輝面比19%まで膨らんだ三日月から昨夜より少し離れた位置にレグルスが見える。しし座で最も明るい同星は、月と頻繁に接近する4つの明るい星の1つだ。

7月12日(金曜日):「マンハッタンヘンジ」#1(ニューヨークのみ)

現地時間7月12日、ニューヨーク市では、今年3回目になる人気のイベント「マンハッタンヘンジ」を見ることができる。「マンハッタンヘンジ」とは、マンハッタンを東西に走る道路の中心線に沿って太陽が沈んでいく現象だ。太陽が道路のグリッド(東西に整列しているが真北からは東に29度傾いている)に沿って沈んでいく光景は、夏至の22~23日前と22~23日後に見ることができる。同日、太陽は東部夏時間午後8時20分にグリッドに合わせて沈む。

2018年7月13日、ニューヨーク市パークアベニューのパーシングスクエア ブリッジに立ってマンハッタンヘンジを見る人々(Gary Hershorn/Getty Images)

2018年7月13日、ニューヨーク市パークアベニューのパーシングスクエア ブリッジに立ってマンハッタンヘンジを見る人々(Gary Hershorn/Getty Images)

7月13日(土曜日):「マンハッタンヘンジ」#2(ニューヨークのみ)

この日の東部夏時間午後8時21分、「Kiss the Grid」イブニングと呼ばれるイベントの最中にマンハッタンの道路から太陽が半分見える。日没時にマンハッタンを東西に走るメインストリートのいずれかに立ち、もし空が晴れていれば、摩天楼の間に沈む太陽が見られる。

7月13日(土曜日)と7月14日(日曜日):上弦の月がスピカを隠す(北米のみ)

北米では7月13日から14日かけて上弦の月がスピカを隠す(Stellarium)

北米では7月13日から14日かけて上弦の月がスピカを隠す(Stellarium)

現地時間7月13日と14日は上弦の月、地球から見た月がちょうど半分だけ照らされている日だ。今月の上弦には特別なことがある。北米では、この半月がおとめ座で最も明るい星、スピカを隠す「スピカ食」が見られるのだ。In-The-Sky.orgによると、スピカは東部夏時間7月13日21時40分から、7月14日00:58まで上弦の月に隠される(訳注:日本では8月10日の夕刻、東北地方以南でスピカ食を見ることができる)。

タイムテーブルは以下の通りだ。

・潜入のみ:米国東部の各州(東部夏時間午後11時30分、南西の低空にて)
・皆既:米国中西部の各州(中部夏時間午後10時00分)
・出現のみ:米国北西部の各州(山岳部夏時間午後9時00分)

forbes.com 原文

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