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アジア

2024.07.11 09:00

長引く中国の不動産危機、政府の「救済策」に即効性は見込めない

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経済に影響を及ぼしている不動産問題について、中国政府は当初から対応を誤ってきた。不動産開発大手の中国恒大集団(エバーグランデ)が2021年に債務不履行(デフォルト)に陥って不動産危機が発生したとき、政府はまるで大した問題ではないかのように扱った。

当局は恒大集団や同社の顧客を支援したり、金融市場が余波を受けないようにしたりするなどの措置を一切取らなかった。こうした無為無策から、問題は中国の経済と金融全体に広がった。その間、他の不動産開発企業も経営難に陥り、問題はさらに悪化した。昨年、政府はようやく事態が深刻だと認識し、小さな一歩を踏み出した。本腰を入れているように見える現在でさえ、政府の対応は現状に対して不十分だろう。

中国政府が最近打ち出した対策の1つに、1兆元(約22兆円)の超長期特別国債の発行がある。このうちの約5000億元(約11兆円)で売れ残っている住宅を購入して手頃な価格の住宅として活用する。このいわゆる買い戻し計画は不動産市場の改善を目的としている。

政府によると、この計画では三つの手法を取る。 第一に、奥の手として政府が買い手となることを全国に示す。第二に、公的資金の投入で間接的に財政難の不動産開発企業を支援する。第三に、すでにある不動産を利用することで、新たに建設するよりも費用をかけずに公共住宅を提供する。

以前の傍観するだけの姿勢に比べれば、こうした取り組みは歓迎すべきものだ。だが、かなりの額に見えるものの、現在のニーズ、ましてやこの計画の野心的な目的に対しては少なすぎる。1兆元という額は、恒大集団の約3000億ドル(約48兆円)もの負債の前では微々たるものだ。加えて、碧桂園(カントリーガーデン)など、恒大集団に続いて経営難に陥った不動産開発企業の負債もある。こうしたことから、効果を得るには何兆元もの公的資金が必要であることは明らかだ。

さらに問題を複雑にしているのは、政府が買い取ろうとしている売れ残りの住宅の立地場所だ。手頃な価格の住宅が必要とされている場所にあるわけではない。低所得者向けの住宅は主要都市で必要とされているが、売れ残り住宅の多くは小都市にある。買い取った住宅がどんなに改修されたとしても、結果的に入居者がないままで、その一方で大都市の労働階級の人々にとってはマイホームは手が届かないものであり続けるだろう。中国共産党であっても、住宅を都市から都市へと動かすことはできない。
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翻訳=溝口慈子

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