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2024.07.11 15:00

 「クルージング」はビジネスパーソンの旅の選択肢となるか?

リサ・パイル|リージェントセブンシーズクルーズアジア太平洋地区副社長兼ジェネラルマネジャー

「豪華客船での旅」といえば、リタイア後の贅沢として思い浮かべる人がほとんどではないだろうか。しかし、あるクルーズラインでは今、そのイメージを覆すような変化が起きつつある。 


「リージェント セブンシーズクルーズ」はマイアミに本社を置く世界有数のラグジュアリークルーズラインだ。同ブランドの6つの客船のうちの一隻、全室スイートの「セブンシーズ エクスプローラー」が2024年3月18日、東京に寄港した。今後も定期的に日本発着のクルージングが予定されているが、2025年秋まで全室満室だという。

「売れ行きが好調なのは、日本周遊クルーズに限りません。パンデミック終息後に多くのクルージング経験者が利用を再開したことに加え、新たに40代半ばのビジネスパーソンなど、これまでより若い層の予約も増加傾向にあります。

クルーズ業界はパンデミックで大きな打撃を受けましたが、それがもたらした新しい働き方が、業界の回復を担う追い風になっています。海の上にいてもスムーズにインターネットに接続できるよう、スペースXが手がける通信サービス、スターリンクも年内に私たちが所有する船のすべてに搭載される予定です」

こう語った同社のアジア太平洋地区副社長兼ジェネラルマネジャー、リサ・パイルが現職に就任したのは23年1月。急成長を続けるアジア太平洋市場における戦略的拡大、継続的成長の責任を担う。パイルは、日本をどのようなマーケットとしてとらえているのだろう。

「このポジションに就く前から、繊細で控えめなラグジュアリーを好む日本人との相性の良さは確信していました。心地よいサービスやリラックスできる時間など、日本人のお客様が贅沢だと思うサービスこそ、私たちが自信をもって提供をしてきたものです」

23年、410平方メートル超の広さを誇る、同社の客室のなかでも最高級の「リージェントスイート」に日本人から初めて予約が入った。また、これまで日本人のクルージング日数は平均10~12日間だったが、最近では12~14日間と少しずつ伸びているという。どこでも働ける世界になったとはいえ、リージェントセブンシーズクルーズならではの戦略があったのではないだろうか。

「時代の変化に合わせた設備投資や、世界中から集まるお客様それぞれのニーズに対応するスタッフサービスの配置を継続的に行っています。ただ、私たちは特定の年齢層や国籍をターゲットにした戦略は推進していません。私たちが30年以上にわたって提供してきたオールインクルーシブというサービスの価値が、結果として幅広い年齢層、国籍の方から支持をいただいたと思っています」
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文=守屋美佳

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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