帝国バンクの調べでは、2024年の1〜6月に、1000万円以上の負債を抱えて法的整理の対象となり休廃業または解散となった歯科医院は85件あった。2000年以降でもっとも多かった2023年の1年間の廃業件数104件に迫る勢いで、このままでは年間の最多件数を更新しそうだ。
そうなった原因は、人手不足、経営者の高齢化、後継者難という、どの業界でも聞く問題もさることながら、日本人のむし歯が減ったことが大きく影響しているという。
現在は、ホワイトニングや歯科矯正などの審美歯科にシフトする医院も増えている。また、歯科医院のM&Aも進んでいるというが、機材が老朽化した立地条件の悪い医院は買い手が付かず、廃業を余儀なくされる。
歯医者さんは、むし歯をなくそうと一生懸命に指導してきた。その結果、むし歯が減って倒産してしまうという皮肉な事態に陥った。それが医者の宿命と言えばそれまでだが、ちょっと気の毒だ。「患者が求めるデンタルヘルスのニーズはより多様化しているなかで、地域や患者層の多様な歯科治療に対応できるか否かが、生き残りのカギを握る」と帝国バンクは指摘している。
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