宇宙

2024.07.08 18:00

火星の小さな穴、有人探査の大きな鍵となる可能性 生命存在の期待も

MROのHiRISEカメラが撮影した縦穴は、今回の「小さな穴」だけではない。2020年のHiPODには、溶岩洞に続いている可能性のある別の縦穴の画像が掲載されている。直径50mのこの入口から通じる溶岩洞は、少なくとも入口と同等の大きさがあると考えられ、地球で見られる溶岩洞に比べてはるかに規模が大きい。2009年にも、別の縦穴の画像が公開されている。

アルシア山の近のアルシア谷にある初期の縦穴。2009年1月28日撮影(NASA/JPL-Caltech/UArizona)

アルシア山の近のアルシア谷にある初期の縦穴。2009年1月28日撮影(NASA/JPL-Caltech/UArizona)

新発見の火山

3月には、火星で激しく浸食された巨大な楯状火山を発見したとする研究が発表された。この新発見の火山は「ノクティス山」と命名された。斜面が約225kmにわたって広がっており、「ノクティス・ラビリントス(夜の迷宮)」と呼ばれる地域の東部に位置する。標高が9022mと、エベレストより高いノクティス山だが、火星では7番目に高い火山にとどまる。1番はオリンポス山の高さ2万1950mで、これは太陽系でも最大だ。

ノクティス山が発見されたのと同じ地域で、2023年に氷河の跡が見つかっている。これは氷河の上で形成された塩で、クレバス(深い割れ目)などの氷河の形状が保存されている。これにより、火星の表面のすぐ下に氷がまだ存在している可能性があることが示唆される。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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