政治

2024.07.08 11:00

撤退拒むバイデン、修正25条発動による「強制退場」論も浮上

選挙戦に踏みとどまることができるか、米民主党のバイデン大統領は正念場を迎えている(photosince / Shutterstock.com)

選挙戦に踏みとどまることができるか、米民主党のバイデン大統領は正念場を迎えている(photosince / Shutterstock.com)

米大統領選のテレビ討論会で失態を演じた民主党のジョー・バイデン大統領(81)が選挙戦にとどまる決意を重ねて示す一方で、識者や議員からは撤退を求める声が一段と強まっている。大統領の職務を停止する手続きを定めた合衆国憲法修正25条を発動してバイデンを罷免し、「強制退場」させるべきではないかという強硬論も出始めた。

「ハリス副大統領と早く交代を」

修正25条は、大統領が在任中に死亡するか辞任するか、または副大統領と過半数の閣僚が大統領の職務遂行は不可能と申し立てた場合、副大統領が大統領職を代行するものと定めている
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ハーバード大学法科大学院のジーニー・スク・ガーセン教授は雑誌ニューヨーカーへの寄稿で、民主党の幹部は修正25条に関する「知識を引っ張り出すのに実によい機会」が訪れたと論じ、カマラ・ハリス副大統領が大統領となり現職として出馬できるように、バイデンは「できるだけ早く」辞任すべきだと訴えた。

共和党でも、修正25条の発動によるバイデン退陣を求める動きが再燃している。マイク・ジョンソン下院議長(ルイジアナ州選出)は討論会翌日の6月28日、自身が閣僚なら修正25条発動の「議論をしているだろう」と述べ、バイデンの内閣は発動を検討すべきだと主張した。

共和党でバイデン批判の急先鋒であるクレイ・ヒギンズ下院議員(ルイジアナ州選出)とチップ・ロイ下院議員(テキサス州選出)も同日、ハリスに対して、修正25条を発動し、バイデンは大統領の職務を果たせないという申し立てをするよう促す決議案を提出した。ヒギンズは、バイデンは「この3年で急速に衰えた」と断じている
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共和党は今年2月にも、バイデンが副大統領時代にホワイトハウスの文書を不適切に扱った疑惑をめぐり、司法省のロバート・ハー特別検察官が厳しく批判する報告書をまとめたことを受けて、バイデンを罷免する手段として修正25条を持ち出していた。

政治風刺番組『ザ・デイリー・ショー』の司会者ジョン・スチュワートも番組で修正25条に言及した。討論会のバイデンはあまりよい状態には見えなかったと話し、「いや、普段の顔が『修正25条顔』の人ってけっこういますからね」とジョークを飛ばした。

一方、閣僚のひとりであるジュリー・スー労働長官代行はFOXニュースで修正25条発動案について尋ねられると、「ばかげている」と一蹴した。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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