アジアを中心にアートフェアを手掛ける英団体「The Art Assembly」が主催する本フェアには、今年、世界18カ国から約70ギャラリーが参加。うち20超が初参加、そのなかには今秋東京に拠点をオープンするPACE(米国)やベルリンの名門Galerie EIGEN + ARTなども含まれる。
海外からの来場者も目立つなか、VIPプレビューでは、「昨年より参加ギャラリーの質が上がっている」「より良い作品が出ていると感じた」などの声が聞かれた。
![Tsubomi ‘Flower Bud’ 特別展示 「ALL THINGS ARE DELICATELY INTERCONNECTED」](https://images.forbesjapan.com/media/article/72224/images/editor/b1a391e076dcb81445947a1d576b2245b3d2b12d.jpg?w=1200)
■マグナス・レンフリュー
「税制改正や保税資格の取得により、国際的なギャラリーが日本で展示する機会を得て、国際的なアートフェアをこうして開催することができました。世界の高名なアーティストを日本へ招致することや、アートへの理解を深める場を提供することは芸術復興に繋がるのではないかと期待しています。
日本は、訪れたことがない人も再訪者もが“訪れたい国”であり、国際的なビジネスにおいてそれは重要なこと。アートフェアへの国際的な参加促進にもふさわしい場所です。アート市場においては遅れをとっている日本ですが、それは同時に挑戦であり大きな機会とも考えられるので、この市場がどのように発展していくのかが楽しみです」
■小島レイリ
「芸術文化交流の場、知的行為の場として非常にエキサイティングなプラットフォームになっています。国際的に定評のあるギャラリーと評価の高いアーティストたちによる卓越した現代アートの作品展示に加え、複数のプログラムも展開しています。国際的なコミュニティの交流拠点として、新たな視点、そしてアイデアを共有する機会を創出しているのが『Tokyo Gendai』。まさに出会いと発見、交流の場です」
■井沢知己
「日本では現代アートに対する関心が年齢や性別に関係なく広がってきていると感じています。アートは芸術性だけではありません。“アート思考”という言葉があるように、アートと経済を循環させていかに結びつけるかという外部波及効果があります。生活を豊かにして、世界と日本をむずぶ新たな架け橋になることを祈願します」
![奈良 美智 – Puff Marshie (Hirosaki Version, Shanghai Version) Edition of 3, 1AP](https://images.forbesjapan.com/media/article/72224/images/editor/6b601d2bf14838b10b9862554bd6f85dfd649d3a.jpg?w=1200)
そのなかでも、奈良美智や鬼頭健吾などの作家の大型インスタレーションを展示、女性アーティストにスポットライトをあてた「Tsubomi ‘Flower Bud’」などは会場でも注目を集めていた。こうしたさまざまなアートに多国籍な空間で触れられるのは、美術館とはまた違うフェアの醍醐味といえる。
フェアの結果を語る数字は、来場者数や売り上げ、再度出展するギャラリーの数などが挙げられるが、わかりやすいところでいえば昨年の来場者数は2万1000人だった。今年、関係者からは「昨年よりもエネルギーを感じる」という声も聞かれる。どのような形で閉幕を迎えるだろうか。