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2024.07.14 10:00

自閉症も多動性も個性であり力 職場を進化させる「ニューロダイバーシティ」

米国国立医学図書館の調査によると、世界人口における発達障がいの割合は推定15~20%に上る(Getty Images)

米国国立医学図書館の調査によると、世界人口における発達障がいの割合は推定15~20%に上る(Getty Images)

自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥・多動性障がい(ADHD)など発達特性を持つ人に多く見られるのが、特定分野での突出した能力だ。それは例えばパターン認識(雑多な情報の中から規則性を見つけ、抽出すること)や記憶、数学などの分野に現れる。しかし仕事現場では、まだまだ彼らの特性が十分に生かされていないのが現状だ。
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英医学雑誌『British Medical Bulletin(ブリティッシュ・メディカル・ブレティン)』誌はその調査で、世界人口における発達障がい者の割合は15~20%に上ると推定。ビジネス界では長らく、ニューロダイバーシティ(神経多様性)は主に男性に見られるものと考えられてきたが、近年ではこれまで見過ごされがちだった「女性の発達障害」も認識されるようになってきた。

かつて発達障がいを持つ男女の比率は16対1とされていたが、現在では3対1から5対1というのが一般的な推定だ。こうした新たな比率は、女性も男性と同様に、発達障がいという「独自性」を保ちながら働ける時代の到来を意味している。とはいえ企業が多様性や平等性、公平性を推進する際に、脳や行動の多様性「ニューロダイバーシティ」を考慮するケースは、まだほとんどない。

企業がニューロダイバーシティを推進することは、社内に創造的な思考をもたらし、誰もが自分らしく働ける環境を育み、それがひいては経営上の競争力につながりえる。この記事ではニューロダイバーシティとは何か、そして多様な発達特性を持つ人々、特に女性が職場でどのように活躍できるかを5つのポイントから見てみよう。

ニューロダイバーシティとは何か?

ニューロダイバーシティとは、単にいくつかの発達障がいを対象としたものではない。「さまざまな発達障がいと、そのあらゆる特徴や行動を含んだ違い」を多様性として受け入れようという概念である。
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「ニューロダイバーシティ」という言葉が初めて紹介されたのは、1990年代後半。オーストラリアの社会学者ジュディ・シンガーが、発達障がいを「脳や神経の多様性(ニューロダイバーシティ)」と表現したのが始まりだ。Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)という2つの言葉を組み合わせたこの造語は、人々の発達障がい者に対するネガティブなイメージを「多様性」という新たなイメージに転換させた。
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翻訳=猪股るー

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