経済・社会

2024.07.18 16:30

焚き火、サミット、フリーゾーン。虎屋社長が見たドバイの「活力の源泉」

World Governments Summitは、ドバイ屈指のリゾートにあるMadinat Jumeirahで開催された

2月、ドバイで「World Governments Summit」が開催され、約4000人が参加した。その大半が中東、アフリカ圏の人々で、日本からの参加者は10人ほど。世界のハブと言われるドバイの実情を、虎屋18代目社長 黒川光晴はどう見たか。


World Governments Summit(WGS) とは、日本ではなじみのない言葉だが、ドバイ政府が2013年に開始し、今年で11回目を迎えた国際会議だ。関係者曰く「ダボスが西側の声だとすると、それ以外の声を発信する場所で、1年のなかでドバイで最も重要なイベント」であるとされる。

3日にわたるビッグイベントの初日は、雨に見舞われていた。この地で年に10日ほどしか降らないという雨にインフラは弱い。朝にはスマホに警報が通知され、「今日は休校」という声も聞かれた。
参加者の大半はアラブの伝統衣装である“カンドゥーラ”とターバンという装いで、スーツは少数派だった。

参加者の大半はアラブの伝統衣装である“カンドゥーラ”とターバンという装いで、スーツは少数派だった。 

会場では、1500人は入りそうなカンファレンスルームに、この日に時価総額でアマゾンを超えたNVIDIAのジェンスン・フアンCEOが登壇していた。ほか、インドのモディ首相、トルコのエルドアン大統領など大国に揺さぶりをかける国際政治のキーマンたち、グローバル企業やNPOの代表、学者などが勢揃いし、大小さまざまな10ほどの部屋で120を超えるセッションが行われた。
屋外に展示されていたジョビー・アビエーションの「空飛ぶタクシー」。

屋外に展示されていたジョビー・アビエーションの「空飛ぶタクシー」。

若くてスピード感のある国

黒川光晴は通常、自分が軸足を置く“和菓子”に関するもの以外、こうしたカンファレンスに積極的ではないが、「未来を考えるサミットが中東で行われる」ことに興味をもった。また、日本での認知度が低い催しに対して「日本から誰かを呼べないか」という相談を受け、産官学さまざまに声をかけ、福武英明(福武財団)、西畠清順(そら植物園)、小橋賢児(The Human Miracle)らをアレンジした。
日本人で登壇したのは、宇宙飛行士の若田光一(中央)、そら植物園の西畠清順(中央右)、投資家の水野弘道の3人。若田の登壇後に、小橋賢児(左)、アル・ファヒームUAE駐日大使(中央左)、黒川(右)とともに。

日本人で登壇したのは、宇宙飛行士の若田光一(中央)、そら植物園の西畠清順(中央右)、投資家の水野弘道の3人。若田の登壇後に、小橋賢児(左)、アル・ファヒームUAE駐日大使(中央左)、黒川(右)とともに。

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文=鈴木奈央 写真=黒川光晴

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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