CoinGeckoによると、年初からの6カ月間で、全暗号資産の時価総額の合計は6610億ドル(約106兆5000億円)上昇したが、そのうちの4090億ドルは、同期間に48%上昇したビットコインによるものだった。しかし、ビットコインの上昇幅は、本質的な価値がほとんどなく、価格が激しく変動するいくつかの「ミームコイン」には及ばなかった。
CoinMarketCapによると、時価総額が10億ドルを超える約70のコインの中で最も高いリターンを記録したのは、ニット帽をかぶった柴犬のロゴのDogwifhat(ドッグウィハット)で、上昇率は約1300%だった。また、右派のサークルでよく見られるミームのカエルにちなんで名付けられたPepe(ペペ)は、これに次ぐパフォーマンスの約800%の上昇率を記録した。
イーロン・マスクの愛犬である柴犬にちなんで名づけられたコインのFloki(フロキ)も418%高、Shiba Inu(シバイヌ)コインも67%高で、ビットコインを上回る上昇率を記録した。一方、おそらく最も有名な犬をモチーフにしたトークンであるドージコインの上昇幅は、35%と伸び悩んだ。
しかし、間もなくビットコインと同様のETFが承認される可能性があるイーサ(51%高)や、世界最大の取引所のバイナンスが発行するBNB(81%高)など、ミームコインの範疇に入らないトークンも、ビットコインを上回る上昇を記録した。
2024年上半期に高騰した暗号資産トップ10(時価総額10億ドル以上)
1. Dogwifhat:1306%高、時価総額21億ドル2. Pepe:815%高、時価総額50億ドル
3. Artificial Superintelligence Alliance: 545%高、時価総額36億ドル
4. Floki: 392%高、時価総額16億ドル
5. JasmyCoin: 343%高、時価総額14億ドル
6. Arweave: 188%高、時価総額18億ドル
7. Core: 152%高、時価総額12億ドル
8. Toncoin: 135%高、時価総額188億ドル
9. Bitget: 100%高、時価総額16 億ドル
10. Bonk: 90%高、時価総額15億ドル
ミームコインは一般的に、インターネット上で拡散したジョークと結びついた暗号資産で、すでに変動の激しい資産クラスよりもさらに激しく価格が変動するものと定義されている。これらのコインは投機的な投資先としての用途以外にはあまり利用価値がない傾向があり、金(ゴールド)の現代版とみなされているビットコインとは対照的だ。ビットコイン以外のすべての暗号資産は、「アルトコイン」と呼ばれ、その多くはミームコインには該当しない。
「ミームコインは、明日には消えてしまうかもしれません。需要がなくなれば、価値のないデジタル資産と夢物語だけが残ることになります」と消費者金融サービス企業BankRateのアナリストのジェームズ・ロイヤルはCNBCに警告した。
(forbes.com 原文)