食&酒

2024.07.05 11:30

日本人女性が米国で「新進シェフ賞」を受賞、チアリーダーから料理の世界へ

ジェームズ・ビアード財団賞で2024年の「新進シェフ賞」を受賞した森下昌子氏(The Washington Post via Getty Images)

ペリーズに高価なプリフィックスメニューはない

プリフィックスディナー(メニューをあらかじめ決められた範囲内で客が選ぶコース)で1人あたり200ドル(約3万2000円)以上の料金を取る多くの日本の寿司屋やおまかせ料理店とは違い、ペリーズはディナーを手頃な金額に抑えている。プリフィックスディナーの設定はなく、メイン料理が17ドルから39ドル(約2700〜6300円)と妥当な値段だ。
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なぜ、高価なプリフィックスディナーを避けるのか? 「ペリーズは高級店ではなく、近隣の人たちのための店だからです。人々に食事を楽しんでもらいたいし、もし嫌なことがあった日でも、料理で幸せな気持ちになってもらいたい」と、森下は言う。

ローカルビジネスのレビューサイト「Yelp(イェルプ)」に掲載されているペリーズで食事をした客の反応は好意的なものが多い。例えば、ワシントンD.C.在住のメアリーは、シェフの昌子がジェームズ・ビアード財団賞の新進シェフ部門で最終候補に残ったことを知っていた。餃子や寿司の盛り合わせを含む食事の「すべてが好みだった」という彼女は、ドラッグブランチのビュッフェも気に入ったという。

ワシントンD.C.のアリスは、「とても洗練された高級な日本食レストランで、フレンドリーでよく気が利くサービスと美しく盛り付けられた料理を提供する」と書いている。しかし「値段が高すぎる」と感じたという。
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ワシントンD.C.のスティーブンは、午後8時を少し回った時刻に来店したが、8時45分を過ぎると料理を注文できなかったことに驚いたという。そこで彼は、ずいぶん早く閉店してしまうことに気づいた。この店は「にぎやかで活気のある地域にあり、他のレストランはすべてまだ賑わっていた」と述べている。将来的にはもっと遅い時間まで営業してほしいと希望している。

だが、森下によれば、日曜日から木曜日は午後9時、金曜日と土曜日は午後10時がラストオーダーの時間になっているとのこと。

ジェームズ・ビアード財団賞を受賞したことは、彼女にどのような影響を与えたのだろうか? 「以前より見られたり、聞かれたりすることが増えました。この業界における私の発言力が高まりました」と彼女は明言した。

彼女の次の目標は、日本のコンフォートフードの料理本を書き、「すべての移民女性や母親の誇り」を築き続けることだという。そして自身のレストランを開業することを考えているのだろうか? 彼女は「そうですね。でもずっと先の話です。今はこの店のスタッフたちと働くことを楽しんでいます」という言葉で気持ちを表した。

forbes.com 原文

翻訳=日下部博一

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