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2024.07.05 08:00

「削除したはずのメッセージ」で浮気が発覚、アップルを訴えた男性

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英紙タイムズは6月に、売春婦に秘密のテキストメッセージを送り、削除したものの、妻にその「削除済み」メッセージを発見されて離婚届を突きつけられた男性についてのニュースを報じた。この男性は、離婚裁判の費用や妻への慰謝料として500万ポンド(約10億円)以上を失い、アップルを相手取った訴訟を起こしたという。

妻を裏切ったこの男性は、明らかに不誠実で非倫理的であり、元妻にとっては最低の夫と言えるかもしれない。しかし、彼がアップルを訴えたことは、まったくの的外れというわけでもない。アップルは、筆者も個人的に影響を受けたiMessageのバグを数年前から放置している。同社は、特定の端末で削除したメッセージが、「すべてのデバイスで削除される」と説明しているが、実際には削除されていないのだ。

MacやiPad、iPhoneなどの複数のアップルのデバイスを所有している場合、すべてのデバイスにiMessageのテキストメッセージが同期され、Macのフルキーボードを使えば、iPhoneの小さな画面でテキストを打つよりも、はるかに速く効率的にテキストの作成が行える。

しかし、ここで問題なのは特定のデバイスで行ったテキストの削除が、他のデバイスに反映されず、人に見られたくないテキストなどが、残ったままになってしまうことだ。アップルは、削除がすべてのデバイスで同期されると述べているが、この機能は実際にはうまく動作していない。

「Macでメッセージを削除しても、他のアップルデバイスでは削除されません」と、アップルのフォーラムのあるユーザーは報告している。また、別のユーザーは、「iPhoneでメッセージを削除してもMacOSでは削除されず、その逆も同様です」と述べている。このユーザーの場合は、「最近のアップデートまでは問題なく削除機能が使えていた」という。

しかし、筆者の場合は、iPhoneやiPad、MacBookなどの複数のデバイス間で、何年も前から削除が同期されない状態だ。

つまり、秘密にしたいメッセージをiPhoneから削除しても、そのメッセージがMacに残っている可能性がある。そのため、誰かがあなたのデバイスにアクセスできる状況下では、プライベートな内容を送信するのはかなり難しい。

配偶者を裏切ることは倫理に反することであり、このような行為やそれに伴う離婚の責任はすべて浮気をした側にある。しかし、アップルがすべてのデバイスからデータを削除すると約束しながら、実際にはそれを実行できていなかったことで、法的責任を問われる可能性はあるだろう。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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