マーケティング

2024.07.12 16:45

若者のSNSを活用したオンラインショッピングの新常識

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オンラインで買い物をする人は、若い人ほどSNSを活用して商品を選んでいる。ただし、ただ情報を鵜呑みにいているわけではない。SNSのメリットとデメリットをよく踏まえて、利用しているようだ。そうしたオンライン消費者に商品を売り込むうえで大切なこととは。

企業向けのソフトウェア情報サービスをなど展開するCapterra(キャプテラ)は、世界12カ国5585人(日本では500人)を対象に行った「2024年オンライン消費者実態調査」の結果を踏まえ、オンラインショッピングでの日本の消費者行動を分析し公表した。それによると、日本のオンライン消費者の7割が、商品情報の収集に検索エンジンを使っているが、続いてレビューサイト、SNSが多かった。とくにSNSは若い人ほど利用者が多い。

SNSのなかでも人気なのがYouTube(67パーセント)、X(60パーセント)、Instagram(58パーセント)などで、使う利用は商品の検索がトップだが、僅差で2位がレビュー検索となっている。

商品レビューといえばインフルエンサーを思い浮かべるが、調査ではインフルエンサーよりも一般ユーザーのほうを信頼する傾向がある。リアルな声を求めているということだ。また、レビューで何を重視するかを尋ねると、商品の画像(39パーセント)、悪いレビューの数(32パーセント)、良いレビューの数(30パーセント)となっている。つまり、良いレビューと悪いレビューのバランスが重要であることがわかる。

また、回答者の82パーセントは、SNSの広告が多すぎると感じている。自分が興味のあるものや自分に関係がある広告は、ある程度許容されているものの、34パーセントはSNSで企業と関わりを持つことを嫌っている。過去1年間でSNS広告を見た人の42パーセントは商品に関する情報を調べ、27パーセントは商品を購入しているが、20パーセントは特定の広告をブロックしたと答えている。企業は消費者との微妙な距離感を保つ必要がありそうだ。

Capterraのシニアコンテンツアナリスト、酒井アルベルト氏は、この結果は企業の広告戦略は慎重に練るべきだと示唆していて、「正確なターゲット設定と適切な広告内容の選定は、消費者の興味を喚起するためにも、反感を招かないためにも重要なポイント」だと話している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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