バイデンは先週行われたドナルド・トランプ前大統領とのテレビ討論会で精彩を欠き、各方面から撤退を求める声が上がっている。
NYタイムズが匿名の側近の話として報じたところによれば、バイデンは側近に対し、5日に予定されているABCニュースとのインタビューや週末のウィスコンシン州とペンシルベニア州での遊説がうまくいかなければ、選挙戦から撤退しなければならない可能性が高いとの認識を口にした。「自分が直面している政治的課題を十分認識している」とも述べたという。
バイデンが再選の断念を検討し始めたとする報道は初めて。
一方、この数時間後、バイデンがカマラ・ハリス副大統領を含む陣営の全スタッフが参加して行われた電話会議で、選挙戦を降りるつもりはないと伝えたことが報じられた。ポリティコは、バイデンが「できるだけ明確に、シンプルに、率直に言わせてほしい。私は戦い続けているし、誰にも追い出されはしない。最後まで選挙戦に参加し、そして勝つつもりだ」と述べたと伝えている。
NYタイムズの記事が公開された直後、ホワイトハウスのアンドリュー・ベイツ報道官はX(旧ツイッター)への投稿で、報道内容を「まったくのでたらめ」「もし7分以上の猶予をもらえていれば、記事公開前にそのことを伝えることができたはずだ」と否定した。
しかし、NYタイムズに続いてCNNも、バイデンの側近が3日、今後数週間で「支持率が急落し、資金集めが滞り、インタビューがうまくいかない」場合、大統領は選挙戦を継続できないかもしれないことを理解していると語ったと報じていた。
民主党内からもバイデンの再選を疑問視する声や撤退要請が出始め、討論会をめぐる批判をバイデン本人や陣営が軽く見すぎているとの非難も飛び出す中、ホワイトハウスとバイデン陣営は頑なな姿勢を強めている。