複数のメディア報道によると、バイデンは討論会後、党指導部のチャック・シューマー上院院内総務とハキーム・ジェフリーズ下院院内総務に1週間近く連絡を取らなかった。ジェフリーズには2日夜に、シューマーには3日朝にようやく電話したとされる。
党内でのバイデンへの支持は2日に揺らぎ始めた。現職議員として初めてロイド・ドゲット下院議員(テキサス州選出)が、バイデンではトランプに勝てないとして公に撤退を要請。バイデンの最も忠実な盟友の中からも、選挙戦のゆくえや討論会後のバイデンの対応について公然と懸念を表明する声が上がっている。
ナンシー・ペロシ元下院議長は2日、NBCの番組で、トランプとバイデンの双方が認知機能検査を受けるべきだと考えを示し、バイデンの精神状態に関する懸念は「正当なもの」だと述べた。前回大統領選でバイデンを支持して選挙戦の追い風となり、黒人票の獲得に貢献したジェームズ・クライバーン下院議員も同日、MSNBCに対し、いまだバイデンの再選を期待しているが、もし撤退を表明するならカマラ・ハリス副大統領を支持すると発言。3日にはCNNに出演し、討論会後まだバイデンと話していないとして「皆そうだろうが、大統領からもっと話を聞きたい」と語った。
バイデン自身は討論会で精彩を欠いたのは、喉の痛みと過酷な移動日程のせいだと説明している。2日の資金集めのイベントでは「討論会の前に数回、世界中を飛び回った」ため「壇上で居眠りしそうになった」などと話し、問題を軽くあしらってみせた。確かにバイデンは、討論会の3週間前から欧州を2回、カリフォルニア州を1回訪れているが、直前の6日間は首都ワシントン郊外の山荘キャンプ・デービッドで準備に専念していた。
ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は2日午後、バイデンの認知機能に関する懸念を一蹴し、大統領の医療チームからペロシの提案したような検査は「必要ない」との見解を得ていると記者団に語った。
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