2024.07.19 16:30

夜、砂漠の焚き火でお茶を。藤原ヒロシが友人と過ごした豊かな時間


ラシッドと市街から車で30分ほど走ると砂漠エリアに。この日は雨の後で運転しやすかったようです。

ラシッドと市街から車で30分ほど走ると砂漠エリアに。この日は雨の後で運転しやすかったようです。

サミット初日は大雨で、空港からホテルまで辿り着けるか危ういほど道路は水浸し。ドバイは雨に弱く、ただ、年に数回の雨対策に大金をかけるか、街に出ないなどで適応するか検討しているのだと。

少し天気が良くなった夕方、そんな話を聞きながら双子の車で砂漠へ出かけたのですが、途中、巨大な水たまりを抜けるのに車が半分ほど浸かって……、気が気じゃない僕の横で、ラシッドは乗り越えたランドローバーの性能に興奮していました。そういうオフロードドライブが彼らの遊びのひとつです。

別の晩には、砂漠にあるオアシスのような場所へ。そこはサミットを主導したUAEのAI大臣の別邸で、アフターパーティなのか、登壇者らが集まっていました。こういう会をホテルではなく、屋外で暖炉を囲み、絨毯に座りながら行う、その“牧歌的”な感じがとても良かったです。
AI大臣の別宅で行われたサミットのアフターパーティのような会。絨毯に座ったり、暖炉にあたったり、 牧歌的な風景でした。

AI大臣の別宅で行われたサミットのアフターパーティのような会。絨毯に座ったり、暖炉にあたったり、牧歌的な風景でした。

王族や学者から僕のような人までが集うのは双子宅での焚き火も同じで、お酒ではなくチャイを飲みながら、フラットに会話ができるのが心地いい。僕は暖炉のある家を好んで住んできたので、シンパシーも感じました。スノーボードのときに、山荘で肩書きや年齢関係なく時間を過ごすのにも似ているかもしれません。

こうした場で大事なのは、誰と誰をつなぐかだと思います。友達はその“フィルター”のような存在で、良い友達を介して、また関係が広がっていく。世界のあちこちそんな友達がいるのですが、仲良くなるために大事なのは、素を見せて語りかけること。双子と過ごしたドバイは、お金や開発が先行するイメージとは違う、隔たりなく人と人が繋がる豊かさを改めて教えてくれる時間でした。


藤原ヒロシ◎1964年生まれ、三重県出身。80年代にDJとして活動を開始。90年代よりプロデュースや作曲などの音楽活動に加え、ファッションのデザインなど、カルチャー全般で幅広く活動。「fragment design」を主宰し、多数の企業やブランドとコラボレーションを展開する。

文=鄭 季和 写真=藤原ヒロシ

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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