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2024.07.09 16:45

割り勘の支払い、8割以上はいまだ現金

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食事や飲み会の代金を割り勘するとき、みなさんはどうやって支払っているだろうか。テーブルでレシートを見て、みんなスマホを出して計算して、端数は私が出すから、ダメよちゃんと割りましょ、なんてあーだこーだ言いながら財布から小銭を出し合うというのが、一般的な割り勘光景だと思う。だがデジタルネイティブの20代は、しゅっとスマートにアプリでやっているらしい。そんな日本の割り勘事情が調査によって見えてきた。

成果報酬型アフィリエイト・サービス「afb」などを展開するフォーイットは、20歳から69歳までの男女500人を対象に割り勘に関するアンケート調査を行った。それによると、支払った代表者に割前を渡す方法は、86.6パーセントが現金だった。決済アプリの利用者は19.4パーセント。銀行振込が8.2パーセントとなっていた。

年代別に見ると、年齢が高いほど現金で払う人が多く、30代からは8割を超えるが、20代だけは現金が65パーセントと極端に少なくなり、かわりに決済アプリが39パーセント、銀行振込が24パーセントと突出して多くなっている。

決済アプリが便利なのは年配者でもわかる。だが、メンバー全員が同じサービスに対応しているとは限らない。キャッシュレス否定派が1人でもいたら成立しない。個人送金アプリも乱立状態で、どうにも付いていけないのが現状だ。それに対してデジタルネイティブの世代は、キャッシュレス環境が全体に整っているものと思われる。サービスがいろいろでも柔軟に対応できるのだろう。

飲み会などでは、酔っ払った頭でお金の計算はしんどい。全員の計算結果が合わないこともしばしばだ。これでは埒があかないと、比較的頭がハッキリした代表者が立て替え、全員が割前(と思っている分)をその人に渡す。計算が合わなくても、「いいよいいよ」となるのが飲み仲間のいいところであり、飲み会の風物詩と思えば悪くない。代表してカードで払えばポイントは独り占め、なんてご褒美もあるが、キャッシュレスでしゅっとできれば断然楽だし、路上で落とした小銭が排水溝に落ちるなんて悲しい目にも遭わずに済む。

サービス提供者は、メインの利用のリテラシーや順応性に依存せず、酔ったおじさんおばさんでも簡単に使えるものを用意してくれたなら、利用者は一気に増えるはずだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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