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北米

2024.07.03 16:00

ポルノサイトの「身分証による年齢確認」は違憲か、米最高裁が判断へ

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米連邦最高裁は7月2日、アダルトサイトの閲覧時に年齢確認を義務付けるテキサス州の法律が、表現の自由を侵害していないかを審理すると発表した。この法律の支持者は、この法律が子供を露骨なコンテンツから保護すると主張しているが、反対派は成人ユーザーのプライバシーを侵害する可能性があると主張している。

最高裁は、成人エンタメ業界の業界団体である、表現の自由連合(FSC)らが提起したこの問題の審理を行うと発表した。

テキサス州のグレッグ・アボット知事によって2023年6月12日に署名されたこの法律は、ポルノサイトが未成年者が成人コンテンツにアクセスするのを防ぐために、政府発行の身分証明書などを提出させて年齢確認を実施することを義務付けている。この法律はまた、年齢確認プロセスの終了後、収集した個人情報を保持しないよう規定していた。しかしFSCは「年齢確認によってユーザーが重大なプライバシーのリスクにさらされる可能性がある」と主張し、この法律に反対していた。

その後、アメリカ自由人権協会(ACLU)がFSCとポルノサイトの運営者らの代理として訴訟を起こし、この法律が表現の自由を侵害していると主張した。その結果、地方裁判所は8月末に、「年齢確認法はアメリカ合衆国憲法修正第一条に違反している」との判決を下し、この法律の施行を阻止した。

テキサス州はこの判決を不服として上訴し、連邦控訴裁判所は3月中旬にこの法律が、憲法修正第一条に違反しないと判断した。これを受け、FSCは4月に最高裁にこの件を審理するよう要請していた。

FSCの事務局長のアリソン・ボーデンはフォーブスに対し、「年齢確認プロセスは(プライバシーなどを)侵害するものであり、負担が大きく、成人の消費者に重大なプライバシーリスクを与える」と述べ、「性的表現は表現の自由における炭鉱のカナリアであり、すべてのアメリカ人が監視なしでインターネットにアクセスできる権利を保護されるべきだ」と語った。

ACLUの弁護士ヴェラ・アイデルマンはフォーブスに対し、「最高裁がこの件を取り上げたのは正しい判断だ」と述べ、「控訴裁判所の判決は、子供を保護するという名目で政府が成人のオンラインプライバシーを奪い、保護された表現へのアクセスに負担をかけることを許した」と主張した。

米国では、アーカンソー州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、モンタナ州、ノースカロライナ州、ユタ州、バージニア州などの少なくとも7つの州が、同様の年齢確認措置を施行しており、複数の報道によると、カンザス州も同様の措置を成立させようとしている。

大手ポルノサイトのPornhubは、3月の控訴裁判所の判決を受けてテキサス州でサイトを見れなくしたが、その結果、ユーザーが自分が住む地域を偽装するためのVPNの検索件数が急増した。Pornhubは、同様の年齢確認措置を施行している他の州でもサイトへのアクセスをブロックしており、7月1日からインディアナ州、アイダホ州、カンザス州、ケンタッキー州、ネブラスカ州でも同様の措置を導入する計画を発表した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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