資産運用

2024.07.06 09:45

個人投資家の7割は「元本割れでも様子見」の傾向

2024年1月から新NISA制度がスタートし、「つみたてNISA」「一般NISA」から「つみたて投資枠」「成長投資枠」へ引き継がれ、年間投資額や非課税保有限度額が増加し、非課税保有期間は無期限となった。これにより、長期投資を考える人が増え、投資額を増やした人も多いかもしれない。

そんな新NISAをはじめとした個人投資家に対して、「元本割れ」についてどのような意識を持っているのか、マレーシアでコンサルティング事業などを展開するUeda Keisho Corp.がアンケート調査を行っている。

それによると、投資は元本割れする可能性があることを理解しているかの問いに、87%の人が理解していると回答。

保有している投資商品が元本割れした場合、あなたはどのように対処するかとの問いには、「長期投資なので気にしない」が38%、「しばらく様子を見る」が37%と、この2つ反応が多く、3位以下を大きく引き離している。

また、保有商品が元本から何パーセント値下がりしたら売却を検討するかとの問いには、「値下がりしても売却しない」が32%でトップ。「20%~30%未満」が21%、「わからない」が17%と続いている。

さらに、下落相場においてあなたの心はどの程度の耐性があると思うかの問いには、「非常にある」「ある程度はある」を合わせて「ある」が57%の人が回答。

あなたにとって投資で「利益を上げること」と「損失を出さないこと」のどちらが大切かの問いには、いずれも46%の半々の回答だった。

9割の人が元本割れを理解しつつ、長期投資なのでたとえ元本割れしていても、すぐには反応しないところをみると、将来的には上がるはずと楽観視している人が多いのかもしれない。ただ、投資家としては長期投資であれば短期的な変動で動く必要はなく、冷静にいることは成功する重要な要素だとUeda Keisho Corp. の植田将一代表取締役は述べており、下落相場で約6割の人が動じないと回答した人は投資家に向いているようだ。とはいえ最近は気軽に投資できる商品も多いが、リスクはつきものであることは心の隅に留めておくことをおすすめする。

出典:Ueda Keisho Corp.「個人投資家が元本割れに対する意識調査」より

文=飯島範久

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