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2024.07.03 13:00

「ウーバーへの早期投資」で成功、ベンチマークが690億円の新ファンド設立へ

Shutterstock.com

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シリコンバレーの名門VC(ベンチャーキャピタル)であるベンチマークは、人工知能(AI)に対する期待が高まる中、11番目のファンドとして4億2500万ドル(約687億円)を調達しようとしていることが、フォーブスが入手した投資家向けの書簡で判明した。同社は、このファンドから約30社のアーリーステージのAI企業に投資を行う予定だ。

「我々は、これまでのすべてが前奏曲のように見えるような時代の幕開けに立っている」と、ベンチマークのパートナーたちは、6月中旬に投資家に送った書簡で述べていた。

同社の5人のパートナーには、フォーブスが世界最高の投資家を選ぶ『Midas List(ミダスリスト)』に選出されたピーター・フェントンやエリック・ヴィシュリア、チェタン・プッタグンタ、サラ・トラベル、ビクター・ラザルテらが含まれている。ベンチマークは、この記事へのコメントを拒否した。

ベンチマークは、2013年以降、同じ規模のファンドを調達してきたが、投資のペースは変動している。同社は2018年に9番目のファンドを調達し、その2年後の2020年に最新の10番目のファンドを調達していた。ベンチマークは、それから4年が経った今、最新のファンドを立ち上げようとしている。

ベンチマークの新たなファンドは生成AI時代のリセットの一環として「ベンチマーク1」という名称になる予定だと書簡には記されている。同社のすべてのパートナーは、コンシューマーテックやクラウドコンピューティング、暗号資産などの分野のAI企業への投資を検討する予定だと、情報筋はフォーブスに語った。

ベンチマークは、すでに複数のAI企業に投資しており、そこにはセールスフォースの元共同CEOであるブレット・テイラーが率いる、AIエージェントを開発するSierraや、「デジタルAIワーカー」と呼ばれるプロダクトを提供する11x、AI回路基板メーカーのQuilter、法務ソフトウェアメーカーのLeya、ビデオジェネレーターのHeyGen(ベンチマークのパートナーの1人であるラザルテは、最近同社が行った6000万ドルの資金調達ラウンドを主導した)などが含まれている。

ウーバーやツイッターなどへの初期からの投資で知られるベンチマークは、他の多くのVCが大規模なファンドを調達し、多数の投資メンバーを持つのに対して、少数の密接なパートナーシップを維持している。同社は、4~6人の少数精鋭のパートナーによって絞り込んだ投資を行っている。

ベンチマークは年間に1~2社しか投資を行わない一方で、支援するスタートアップの株式の20%以上を取得し、取締役会の席を得ることが一般的だ。これにより同社は、投資先企業に対する深い関与と大きな影響力を持つことができる。まだアーリーステージだった頃のウーバーに対してベンチマークが投じた約1000万ドル(約16億円)は、2019年にウーバーがIPOした際、約70億ドル(約1兆1000億円)のリターンをもたらしていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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