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2024.07.03 12:30

アップルが「モジュール式スマホ」に関する特許を申請

Photo by Serene Lee/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

アップルが新たに提出した特許申請は、同社のデバイスに対する考え方がどのように変わるかを示唆しており、近年広まる「修理する権利」の法制化の影響を受けている可能性がある。

ニュースサイトのPatently Appleが先月報じたところによれば、アップルの特許申請には、取り外し可能な背面パネルを備えたスマートフォンが描かれている。このパネルは、追加のハードウェア機能を持つものと交換が可能だ。

追加のコンポーネントには、背面が保護ケースとして機能するものから、補助バッテリーや健康モニタリングデバイス、さらには第2のディスプレイまで多岐にわたっている。さらに、追加のカメラモジュールを備えた背面パネルの例も詳細に記載されている。これらはすべて、スプリング式のクリップで接続され、簡単に取り外しが可能という。

特許画像の一つには、バッテリーパネルやカメラモジュール、追加スピーカーを含む様々な背面プレートの配置が描かれている。

筆者はこの特許書類を見て、2016年にリリースされたモジュール式スマートフォンのLG G5を連想した。この端末は、さまざまなモジュールを交換して、バッテリーを大きくしたり、追加のカメラを取り付けたり、VR(仮想現実)コンポーネントを追加したりすることが可能だった。

G5の以前にグーグルはProject Ara(プロジェクト・アラ)と呼ばれるプロジェクトで、同じアイデアを長い間試みていた。この端末は、電気廃棄物を減らすために設計されたモジュール式スマートフォンだった。グーグルは、2016年にこのプロジェクトを棚上げしたが、アイデア自体はまだ生き続けている。

特許の申請は、必ずしも実際のデバイスにつながるものではなく、アップルのような企業が、モジュール式のスマートフォンをリリースすることは、あり得ないことのようにも思われる。しかし、アップルは近年、さまざまな圧力を受けて、端末の修理を容易にする方向に向かっている。

同社は、iPhone 15の内部シャーシを再設計し、ガラスを割ることなくバックパネルを取り外しやすくした。アップルは昨年、自宅でデバイスを修理しやすくする「セルフサービス修理プログラム」を導入し、現在はその一部がヨーロッパでも拡大されている。同社はまた、今年のiPhone 16向けにバッテリーの取り外しを容易にする技術を開発中だと報じられている。

さらに、アップルのパーツペアリング(訳注:修理の際、メーカーによる交換部品の認証と承認が必要とする仕組み)に関する方針変更により、iPhoneユーザーはアップルの承認なしに部品を交換できるようになる。iPhone 16から適用されるこの変更は、米オレゴン州などで成立した「修理する権利」の法制化への対応と見られている。

アップルが修理についてのスタンスを和らげ、部品を交換しやすくするためにiPhoneを再設計していることを考えると、今回の特許のようなモジュール式の端末のリリースも、まったくの夢物語ではないように思えてくる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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