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2024.07.05 16:00

高性能なGPS機器をもつガーミンCEOに聞く ウェアラブルデバイス発展のあゆみとこれから

日本ではアスリートから愛される高性能ウェアラブルデバイスの会社、という印象が強いガーミン。しかし実際には、GPSテクノロジーを中心に、陸海空のさまざまなジャンルでB to Bビジネスを展開する巨大テック企業である。加えて米フォーブスでは「社会的影響力ランキング」や「最優秀雇用主ランキング」の上位リストに入るほど、従業員からも愛される企業でもある。

ビジネスパートナー、消費者、従業員の全てから評価され愛される企業であるガーミンとは、いかなる企業なのか。ガーミンの代表取締役兼CEOのクリフ・ペンブルへのインタビューから紐解いていきたい。


ワクワクする製品をつくる。それがガーミンの使命

「Forbes誌が発表した『2024年アメリカの最も働きがいのある企業』にて、ガーミンは第2位を獲得しました。これはとても名誉なことです。おそらくその理由は、ガーミンの企業文化にあるのでしょう。私たちは従業員を大切にします。福利厚生や退職金、産休育休といった制度を充実させることは、その一環です。しかし何よりも大切なのは、一緒に働くためのエキサイティングな場所を提供すること。そしてワクワクする市場やワクワクする製品をつくり続けることにあります」と、ガーミンの代表取締役兼CEOのクリフ・ペンブルは語る。

ガーミンはアメリカのカンザス州にて、1989年に創業した。大学で電気工学を学び、またパイロット免許をもったゲイリー・バレル (Gary Burrell)は、その経験を生かし、ある企業で飛行機用のナビゲーション機器及び通信機器の開発を行っていた。同社では台湾出身の高民環 (Min H. Kao、ミン・カオ)が、GPS衛星を使った軍事ナビゲーションシステムの開発を行っていた。この二人が独立してガーミン(GarminとはGaryとMinからなる造語)を創業し、最先端のGPSナビゲーション製品の開発をスタートさせた。

アメリカのカンザス州オレイサにあるガーミンの本社は、ガーミンキャンパスと呼ばれている。ここでは開発やデザイン、テスト、出荷などの部門が垂直統合されている。

アメリカのカンザス州オレイサにあるガーミンの本社は、ガーミンキャンパスと呼ばれている。ここでは開発やデザイン、テスト、出荷などの部門が垂直統合されている。

人工衛星が発する電波をキャッチして正確な現在地を割り出すガーミンのGPSナビゲーション製品は、航海士や軍人、あるいはアウトドアスポーツ愛好家に絶大な支持を受ける。

しかし好事魔多しとはこのことである。2007年の6月にアップルがiPhoneを発売すると、途端にグーグルマップを使うドライバーが増加し、ガーミンのGPS事業の売上は激減してしまう。この苦境が数年続いたなかで、2013年にCEOに着任したのが、それまでCOOを務めていたクリフ・ペンブルだった。彼は当時をこう振り返る。 

「私がCEOに就任した時代は、大きな市場であったコンシューマー向け自動車事業すなわちカーナビゲーション市場が、スマートフォンの影響で衰退している特殊な時期でした。他の事業が順調に成長している中、それは喫緊の問題でしたが、ガーミンは常に新しい製品や新しい市場を創造してきましたし、私たちのチームにはスキルと才能がある。特別な時代だからこそ、試すべきことはたくさんあると考えたのです」

その「試すべきこと」のひとつがウェアラブルデバイスを軸にした戦略だった。

「ウェアラブルデバイスという新しい市場に進出したのは、私たちが今まで培ってきた技術が応用できると考えたからです。その以前から機能的な時計はありましたが、ガーミンはGPSによる位置情報や光学式心拍計によるヘルスモニタリングを可能にすることで、ユーザーのアクティビティのデータを取得できるようになりました。そして機能は拡充し、ユーザーのニーズに応えたことで、爆発的に販売が拡大しました」

クリフ・ペンブル◎ソフトウェアエンジニアとして、創立直後のガーミン・インターナショナルに入社。システム・ソフトエンジニアリングのマネジメントなどさまざまな分野で活躍。2007年には最高執行責任者社長(COO)、そして13年よりCEOに就任。彼自身もランナーであり、もちろんガーミンのウェアラブルデバイスを愛用する

クリフ・ペンブル◎ソフトウェアエンジニアとして、創立直後のガーミン・インターナショナルに入社。システム・ソフトエンジニアリングのマネジメントなどさまざまな分野で活躍。2007年には最高執行責任者社長(COO)、そして13年よりCEOに就任。彼自身もランナーであり、もちろんガーミンのウェアラブルデバイスを愛用する

たくさんの製品や各部品が収まる巨大な倉庫。スタッフだけでなく、ロボットも内部を動き回っており、迅速な出荷ができるようにシステムが構築されている。

たくさんの製品や各部品が収まる巨大な倉庫。スタッフだけでなく、ロボットも内部を動き回っており、迅速な出荷ができるようにシステムが構築されている。

ウェアラブルデバイスはさまざまなジャンルで活躍。人気が高いランニングとゴルフ領域では、トップクラスのシェアを誇る。世界大会に出場するトップアスリートからスポーツ愛好家まで、幅広いユーザーに支持を受けている。活動データに基づいてパーソナライズされたトレーニング提案や日常のコンディション作りをサポートしてくれる。ウェアラブルデバイスはさまざまなジャンルで活躍。人気が高いランニングとゴルフ領域では、トップクラスのシェアを誇る。世界大会に出場するトップアスリートからスポーツ愛好家まで、幅広いユーザーに支持を受けている。活動データに基づいてパーソナライズされたトレーニング提案や日常のコンディション作りをサポートしてくれる。

人々の日常に寄り添うライフスタイルツール

ウェアラブルデバイスには、スマートウォッチなどライバルは多い。しかしそういった競争の激しい市場でガーミンが特別な存在であり続けることができるのは、さまざまな事業領域に進出しているからだ。そもそもガーミンでは、最先端のGPSナビゲーション製品を駆使し、「アビエーション(航空)」「マリン(船舶)」「オートOEM(車載システム)」「アウトドア」「フィットネス/ヘルス」といったカテゴリーで、“Modernize the Mission with Garmin”(ガーミンでミッションの最新デジタル化を)をスローガンに、さまざまな製品を生み出している。

ガーミンのユニークなところは、こういったさまざまな分野で得た技術を幅広く活用することにある。例えばアビエーションやマリンなどにおいてはテクノロジーが人命と直結するため、精度と信頼性が何よりも優先される。ここで培った高性能なGPS技術が、登山家が持ち歩くハンディGPS機器へと転用されている。専門性の高い領域で培った技術をウェアラブルデバイスに活用することで、他社とは異なるポジションを確立しているのだ。

「ガーミンのウェアラブルデバイスの大きなユーザーメリットは、スポーツアクティビティやヘルスケア情報の基となる光学式心拍計を追加したことにあります。ユーザーの活動や身体の状態を記録することで、過去と比較してどの程度パフォーマンスが向上しているか、健康状態がどのように改善されているかを調べることができるようになりました」(クリフ・ペンブル)

正確に自分の体調を把握するためには、それなりにコストをかけて病院などで検査する必要があった。しかしガーミンのウェアラブルデバイスであれば、手元で簡単に心拍数や睡眠レベル、血中酸素レベル(※)などが計測でき、さらにそれらをGPS機能と連動させることで運動量やアクティビティの記録も高い精度で把握できる。加えてそれをビッグデータとして活用し、健康経営、ヘルスケア、リアルタイムモニタリングや研究などの分野でソリューションを提供しているという。
(※) 血中酸素トラッキングによる測定は、医療目的で使用されることを意図するものではなく、あくまで一般的なフィットネスとウェルネスの範囲で利用することを目的とするものです。 

「自分の健康を改善する方法がわかれば、社会全体の健康レベルを上げることができる。ウェアラブルデバイスは個々のユーザーに寄り沿うものですが、その影響は社会全体にもたらすものでもある。我々はガーミン製品が不可欠なものになることを望んでいるし、そういう製品をつくりたいと望んでいます」(クリフ・ペンブル)

例えばガーミンのウェアラブルデバイスはロングバッテリーが最大の特徴であり、毎日充電する必要はない。これはユーザーの利便性を高めるだけでなく、毎日ストレスなく継続的に着用できるもの=生活必需品にするために必要であり、より正確なデータを取得し、パーソナライズされたデータ提供に必要な技術と考えているからだ。

ガーミンはさまざまなジャンルを横断し、GPSや心拍センサーを軸とした精密機器を製作している。しかしそれに留まらず、ハードウェアが計測した精密なデータを解析し、可視化することで人々の生活に寄与するという役割を担っている。ガーミンは単なるデバイスを提供する存在ではなく、人々の生活に寄り添い、貢献していくブランドなのだ。

インタビューの最後にクリフ・ペンブルは、ガーミンの秘密を打ち明けた。

「ガーミンが成功した理由のひとつは、情熱的な人々がガーミンで働いていることです。自分自身がガーミンのユーザーであり、自分たちが必要だと考えた機能を開発し、そのアイデアを盛り込んだ製品をつくることができる。ガーミンの強さはその情熱にあります」

それを証明するように、カンザス州オレイサの「ガーミンキャンパス」には、大きな屋外運動場があり、休憩時間になると社員たちがそこで運動を始める。また屋内にはジムなどの施設もあり、ガーミンのウェアブルデバイスを着用しながらウェイトトレーニングに励む。アビエーション関係のスタッフはパイロット免許を持ち、パイロットクラブに属しているそうだ。

つまりガーミンの製品は、アビオニクスであれ、魚群探知機であれ、ウェラブルデバイスであれ、どれもがユーザー目線で開発されているということだ。だからこそワクワクする製品を生み出し続けることができるし、そういった職場に働きがいがあるというのは当然だろう。

ガーミンのウェアラブルデバイスが収集した詳細かつ高精度のデータを研究機関や医療・保険会社と共有することで、ユーザーの健康的な生活をサポート。これもガーミンが目指す未来のひとつだ。

ガーミンのウェアラブルデバイスが収集した詳細かつ高精度のデータを研究機関や医療・保険会社と共有することで、ユーザーの健康的な生活をサポート。これもガーミンが目指す未来のひとつだ。

ガーミンキャンパス内のジム。ワークアウトに励んでいるようで、実は仕事をしている。体を動かすことが好きな人にとっては最高の職場環境だ。ガーミンキャンパス内のジム。ワークアウトに励んでいるようで、実は仕事をしている。体を動かすことが好きな人にとっては最高の職場環境だ。

Garmin
https://www.garmin.co.jp/

Promoted by Garmin / text by Tetsuya Shinoda