AXPは米国時間6月28日現在、一株当たり約231ドルで取引されており、私たちが算出した目標株価の228ドルをわずかに上回っている。
株価パフォーマンス
AXPは2021年1月初旬につけた120ドルから、現在の230ドル前後の水準まで約90%という極めて力強い上昇を見せている。驚くべきことに、AXPは過去3年間、いずれも市場全体をアウトパフォームしている。2021年のリターンは35%、2022年はマイナス10%、2023年は27%であった。これに対し、S&P500のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%である。直近決算は好調
アメリカン・エキスプレスは、2024年度第1四半期の決算で市場予想を上回る業績を達成した。非金利収入の6%増と純金利収入の26%増に牽引され、売上高は前年同期比11%増の158億ドル(約2兆5000億円)となった。非金利収入の伸びは主に、プレミアムカードの会員数増加により会費収入が6%増加したことが寄与した。同様に、カードローン残高が増加し、その利ざやも拡大したことにより、純金利収入も増加した。コスト面では、当四半期の貸倒引当金繰入額が前年同期比で20%増加し、損益上のマイナス要因となった。しかし、このマイナスの影響は、粗利益に対する非金利費用の割合が低下したことで相殺された。その結果、当期純利益は前年同期比34%増の24億ドル(約3865億円)となった。2023年度通期の売上高は、非金利収益の10%増と純金利収益の33%増に牽引され、前年度比14%増の605億ドル(約9兆7450億円)となった。費用面では、貸倒引当金繰入額が前年度比2倍以上の49億ドル(約7893億円)に増加した。しかしそのマイナスの影響は、非金利費用の割合が売上比で低下したことにより一部相殺された。