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北米

2024.07.01 13:45

やることなすことすべて裏目に バイデン氏は米大統領候補を交代するのか

米ニューヨークタイムズ紙が早速、「バイデン氏の候補交代論」を唱えるなど、衝撃は広がっている。ただ、バイデン氏は民主党予備選で過半数以上の代議員を獲得している。バイデン氏が立候補を辞退しない限り、8月の民主党全国大会(党大会)でバイデン氏が大統領候補に指名される。渡辺氏はバイデン氏の辞退の可能性について「現時点でその可能性は低いでしょう。ただし、支持率が下がり、再選を目指す民主党議員らがバイデン批判を強め、党の重鎮も撤退を呼びかけ、党大会が分裂する可能性が出てくれば、バイデン氏が立候補を断念するかもしれません」と語る。「最終的にはファーストレディーのジル・バイデン氏をはじめ、家族の説得が決め手になるでしょう」

渡辺氏によれば、バイデン氏が党大会までに立候補を辞退した場合は、党大会で指名争いが行われる。バイデン氏は本来の後継者であるべき副大統領のカマラ・ハリス氏を推すことが予想される。しかし、バイデン氏と同様に支持率が低迷するハリス氏は民主党内で十分な支持を確保できないことも想定される。その場合、民主党の若手のホープとして知られる、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事やミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事、イリノイ州のJ.B.プリッツカー知事らにも可能性があり、「大混戦になる」(渡辺氏)という。

現職大統領が予備選の途中で再選を断念した事例は過去にもある。1968年、民主党のジョンソン大統領はベトナム戦争の影響で支持率が低迷し、再選を狙った民主党予備選を撤退した。この時は、民主党内が混乱し、民主党候補になったハンフリー副大統領は本選で、共和党のニクソン氏に敗北した。渡辺氏も「このタイミングでバイデン氏が撤退すると、民主党が混乱してトランプ氏の当選をさらに高める可能性があります」と語る。

渡辺氏の周辺の民主党関係者らは、「バイデン支持派」と「新候補支持派」で割れているという。民主党内ではトランプ氏打倒で見解は一致しているが、早期に団結できるかは不透明だ。渡辺氏は「この分裂が11月の大統領選まで続けば、トランプ氏の勝利は確実になるでしょう」と語った。

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文=牧野愛博

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