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2024.07.01 11:30

中国バイトダンスのEC、禁止の可能性の中でも米国で急拡大する理由

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TikTokが米国で禁止の可能性に直面しているにもかかわらず、このアプリの親会社である中国のバイトダンスは、新たな成長の原動力であるeコマース部門「TikTok Shop(TikTokショップ)」に対してさらに注力している。

実際、バイデン大統領が4月にTikTokの米国での禁止につながる法案に署名して以降、TikTokショップは急速に成長している。eコマースの追跡プラットフォーム「Route」のデータによると、TikTokショップの注文件数は、年初から4月までは月あたり7%のペースで伸びていたが、4月から5月の伸び率は13%と、ほぼ2倍に達していた。

昨年9月に米国でのサービスを開始したTikTokショップ(日本でのサービス開始は未定)は、インターネットのトレンドに合致する新奇なアイテムを割安な価格で販売することで、アマゾンのような大手と差別化を図っている。TikTokショップの米国のセラー(販売者)は、2023年末時点で50万社を超えていた。

ブルームバーグは1月に、TikTokがショップ部門の売上を現状の10倍の175億ドル(約2兆8000億円)に伸ばし、1000億ドル以上と推定されるTikTokの全ビジネスの中核部門に育てる計画だと報じていた。

ロサンゼルスを拠点とするインフルエンサーエージェンシー、Mighty Joyの創業者のエリック・ダハンは、「クリエイターとブランドの観点から見ると、すべてが右肩上がりだ」とフォーブスに語った。彼によると、TikTokは、米国でのショップの立ち上げ当初に、セラーの割引コストを負担して顧客を引きつけ、ブランドをプラットフォームに参加させるきっかけを作ったという。

そして、4月末にバイデン大統領が法案に署名した後も、バイトダンスは拡大を止めなかった。それどころか同社は、5月に欧州でのショップの拡大を中止し、米国事業にリソースを集中したと報じられている。TikTokは、TikTokショップをサポートするための数百人の従業員を米国で募集しており、LinkedInに掲載した求人情報で、プロダクトマネージャーやクリエイターのスペシャリスト、IP(知的財産)の専門家などを募っている。

一方、クリエイターを含む業界の人々は、TikTokのアルゴリズムがTikTokショップを宣伝する投稿を優先し、それ以外の投稿を抑制していると述べている。「TikTokは現在、意図的にショップのコンテンツをレコメンドし、より多くの買い手や売り手を呼び込もうとしている」とダハンは述べた。

アマゾンの売上を奪うTikTokショップ

しかし、バイトダンスがTikTokを米国企業に売却しない限り、アプリが禁止されるという法案の成立は、確かに一定の打撃をTikTokに与えている。かつてTikTokショップのトップセラーになった小規模事業者のプニート・ナンダによると、一部の顧客は、この法案に反発するTikTokが法廷闘争に打って出たことを知らず、TikTokショップで商品を購入した場合に、それが届く前にプラットフォームが終了するのではないかと心配しているという。そのため、ナンダのショップの売上は急落した。
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編集=上田裕資

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