しかし、規制による混乱にもかかわらず、TikTokショップはすでにアマゾンのビジネスに食い込んでいることがRouteのデータで示されている。
2023年の最終四半期から2024年の第1四半期までの、アマゾンの注文件数とTikTokショップの注文件数の合計を追跡すると、昨年末の段階では、アマゾンの注文件数は全体の約65%を占めていたが、第1四半期にはそれが61%に減少した。一方、TikTokショップの注文件数は、同期間に平均して月次で7%増加していたとRouteのCEOのマイケル・ヤマルティノは述べている。
TikTokショップはまた、別の指標においてもアマゾンからシェアを奪っている。現在のTikTokショップの従業員の多くは、以前にアマゾンに勤務していた人々であることが、LinkedInのデータからわかっている。彼らの役職には、米国のTikTokショップのマーケティング責任者やIP責任者などが含まれている。
一方、TikTokショップの成長と潜在的な崩壊は、このサイトの中国のライバルで米国で急速に成長しているTemu(テム)とSHEIN(シーイン)の恩恵となる可能性がある。テムは昨年、米国で最もダウンロードされたアプリであり、シーインは6位にランクインしていた。この2つのeコマースサイトは米国の消費者に非常に人気があるため、中国から発送されるプロダクトが世界の航空輸送を圧迫し、航空貨物運賃の急騰を引き起こしている。
仮にTikTokショップが米国で禁止された場合は、このアプリの利用者は、アマゾンやウォルマートのサイトではなく、中国のeコマースアプリに向かう可能性が高いとヤマルティノは述べている。彼は、TikTokショップが、楽しいがチープな低価格の中国製品で知られる超格安eコマースサイトのWish(ウィッシュ)や、2018年に世界で最もダウンロードされた買い物アプリであるアリババのTmall(ティーモール)の現代版だと考えている。
「アマゾンやウォルマートが、テムやシーインに勝てるとは思えないのです」とヤマルティノは語った。
(forbes.com 原文)