ライフスタイル

2024.07.07 15:00

また共に仕事する日を願い贈った「相棒」

amadanaの電卓

贈り、贈られたモノや体験は、人生を変えるほどの力を持つことがある。企業のトップ、リーダーたちが経験した、モノや体験に介在する特別な思い入れを紹介する。自身の生き方、サクセスストーリーにも影響を及ぼしたであろう「GIFT」の逸話には人間味あふれる姿がある。希薄化も言われる現代の人間関係とは異なる、特別な関係だ。


THE GIFT #13

永吉健一

みんなの銀行 取締役頭取
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amadanaの電卓
美しいデザインと視認性の良さを兼備した、シックな電子計算機。同色のレザーケースが付属する。
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「10年後、自分が銀行で何をしているかイメージできない」。30代前半のころ、当時の上司にそう悩みを打ち明けた。バブル崩壊から間もない1995年に福岡銀行へ入行。30歳を前に不良債権処理や事業再生のためのタスクフォースに召集され、非常にハードだが貴重な経験を積んだ。そのすべてを乗り越えたとき、大きな達成感を得ると同時にバーンアウトしてしまった私は、前述の相談に至る。
 
上司の助言は「あなたは10年後も変わらず新しいことに挑戦しているから、心配いらない」というものだった。現にその10年後、私は日本初のデジタルバンクとなる「みんなの銀行」の設立に向け新たな挑戦をしていた。
 
その挑戦に参画していた後輩がプロジェクトを卒業する際、相談を受けたことがある。悩みはくしくも10年前の私と同じ。これは時を経た巡り合いなのか。私が伝えたのは、先の上司から受けた言葉にほかならない。そして彼に贈ったのが、amadanaの電卓だ。銀行員の三種の神器のひとつといわれる電卓。これが次なる挑戦に向けての新たな相棒になっていればうれしい。そしていつか互いの相棒を連れ、また共に仕事ができることを願っている。


ながよし・けんいち◎1995年、九州大学法学部を卒業後、福岡銀行入行。経営企画部にて、2007年のふくおかフィナンシャルグループ設立に尽力。16年に企業内ベンチャーとしてiBankマーケティングを設立後デジタルバンクPJを推進。21年みんなの銀行サービス開始を経て22年より現職。

文=伊藤美玲 イラスト=東海林巨樹

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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