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2024.06.28 17:00

中国のダウンメーカー「ボシデン」が株価急騰、売上高40%増で

Getty Images

中国最大のダウンジャケットメーカー、Bosideng(波司登、ボシデン)の株価は6月27日の香港市場で6.7%急騰した。これは、同社の直近の1年の売上高と利益が大幅な伸びを記録したためだ。

ボシデンは26日の株式市場の終了後に、3月31日までの1年間の売上高が前年比38%増の232億人民元(約5130億円)で、利益が同43%増の約31億人民元(約685億円)だったと発表した。

香港の株価指数であるハンセン指数は過去1年間で7%下落したが、ボシデンの株価は、同期間に30%以上も上昇した。日本の伊藤忠商事の出資を受けるボシデンは、トロントを拠点とするカナダグースをライバルとしている。

フォーブスは、ボシデンの創業者でCEOの高徳康(ガオ・デカン)の保有資産を51億ドル(約8200億円)と試算している。


ボシデンは、同社の業績が中国経済の回復に後押しされたと述べている。「中国経済は、2024年の年初以来、着実に成長し、その勢いを維持している。また、経済の構造改革も着実に進展し、国内市場が活性化している」と同社は説明した。

ボシデンは、中国の消費者の好みが国産ブランドに向かったことが、自社製品の売上の増加につながったと述べている。3月31日までの1年間のボシデンブランドのアパレル事業の売上高は、前年比42.7%増の168億元(約3723億円)を記録した。ボシデンによると、「中国の自国の文化に対する自信の高まりが、国内ブランドの成長に弾みをつけた」という。

同社の全ブランドのオンライン売上高は、前年比40.6%増の69億元(約1529億円)を記録した。ボシデンは今後、「技術革新やデジタルイノベーションの加速から生まれる機会」に注力するとしている。


現在72歳の高は、父親から縫製技術を学び、毛沢東がまだ存命だった1975年に中国東部の江蘇省で11人の村人と共に最初のアパレル会社を立ち上げた。彼の会社は、1994年に米国のボストンを連想させる「ボシデン」というブランド名に改称した。

ボシデンの初期の大きな成功としては、国有企業が支配的であった百貨店業界に自社ブランドを販売するスペースを確保したことが挙げられる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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