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2024.06.28 12:00

スペースX、「評価額34兆円」でインサイダーの持ち株を売却へ

Tada Images / Shutterstock.com

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イーロン・マスク率いるスペースXは、同社の評価額を2000億ドル(約32兆円)以上とするテンダーオファーを実施の準備を進めており、従業員やその他の株主などが持つ株式を売却できるようにする。ブルームバーグが米国時間6月27日に報じた。

スペースXはここ1年で、有人ロケットの打ち上げを複数回成功させており、直近では、2030年に退役予定の国際宇宙ステーション(ISS)を安全に軌道から離脱させるための宇宙機の開発に向けた契約を米航空宇宙局(NASA)と締結した。

ブルームバーグによると、この取引におけるスペースXの1株あたりの株価は、先月報じられた108~110ドルを若干上回る112ドルになるという。それにより、同社の企業価値は約2100億ドル(約34兆円)となる。今回の取引の規模はまだ確定していない模様で、既存株主と外部の買い手双方からの関心に基づいて決定される可能性が高い。

2100億ドルという評価額がつけば、世界で2番目に価値の高い新興企業であるスペースXと、中国のバイトダンスとの差を縮めることになる。TikTokの親会社であるバイトダンスは、昨年12月に2680億ドル(約43兆円)の評価額で自社株買いを実施した。

スペースXが昨年12月に実施したテンダーオファーの際、評価額は1800億ドル(約29兆円)だった。同社は、昨年1月にアンドリーセン・ホロウィッツが主導した資金調達ラウンドで7億5000万ドル(約1205億円)を調達したが、その際の評価額は1370億ドル(約22兆円)だった。

マスクは今回の取引について報道についてコメントしていないが、「スペースXは追加の資本を必要としておらず、株式は買い戻すことになるだろう」と先月、X(旧ツイッター)に投稿していた。マスクはその後、約6カ月ごとに従業員と投資家向けの「流動性ラウンド」を行っていると付け加えた。

フォーブスは、世界で最も裕福な人物であるマスクの保有資産を2206億ドル(約35兆4000億円)と試算している。

NASAは27日、2030年に退役するISSを、安全に軌道から離脱させるための宇宙機のDeorbit Vehicle(ディオービット・ビークル)の開発に向けた8億4300万ドル(約1354億円)の契約を、スペースXと結んだと発表した。この宇宙機は、ISSを安全に軌道から押し出し、地球の大気圏に再突入させるという。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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