欧州

2024.06.28 09:30

ロシア軍、「バイク突撃」戦術のギア上げる 犠牲も増大

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2年4カ月あまりに及ぶ消耗戦で装甲車両の在庫が払底してきているロシア軍は、少し前に考え出したアイデアにますますすがっている。前線の部隊に安価なオフロードバイクを配備するという、例の筋の悪いアイデアのことだ。

オフロードバイクに乗って戦闘に入るロシア兵が増えるほど、その際に死傷する兵士も増えることになる。

OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのアンドルー・パーペチュアが確認したものだけでも、撃破されたロシア軍のオートバイ数は今年2月に5台、3月に1台だったのが、4月に13台、5月には56台と増え、6月は第1週だけで9台を数えている。このほかに、損傷したり遺棄されたりしたオートバイ数も累計で数十台にのぼっている。損害の大半はウクライナ側のドローン(無人機)によるものだ。

「ロシアがオートバイ攻撃で出している人的損失の数には心底おそれいる」とパーペチュアはコメントしている

オートバイによる突撃というアイデアは第一次大戦以降、各国の軍隊が試しては放棄してきたものだが、ロシア軍は多大な損失を被りながら、ここへきてそれに一段と大きく賭けようとしているようだ。ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)は26日の作戦状況評価で、ウクライナ東部ドネツク州クラスノホリウカ付近で戦闘を行っているロシア軍の第5独立自動車化狙撃旅団が、オートバイ小隊を試験的に編成したと言及している。

エストニアの軍事ブロガー、WarTranslatedが紹介・翻訳しているところによれば、ロシアの戦争特派員アレクサンドル・スラドコフは、このオートバイ小隊は「大隊の戦闘オートバイ部隊に加えて」つくられたものだと強調している。「必要な貨物の輸送や負傷者の後送」がその任務だといい、ほかの旅団や連隊でも同様のオートバイ部隊が組織される見込みだとしている。

だが、これらの部隊はおそらく直接戦闘任務も担うのだろう。実際、装甲車両が枯渇してきているロシア軍の指揮官は、部隊をオートバイでウクライナ側の陣地に対する直接攻撃に向かわせるケースがますます増えている。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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