マイクロプラスチックの危険性
マイクロプラスチックはペットボトルの水や水道水、ビール、塩などから検出されている。体内に取り込まれると、臓器障害やDNA損傷、酸化ストレス、神経毒性、免疫反応の低下、胎児や乳幼児の発達に対する毒性など、健康への悪影響を引き起こすおそれがある。多くの哺乳瓶メーカーは、2012年に米国でBPAの使用が禁止されるとポリプロピレンを使用するようになった。2020年に学術誌「ネイチャー・フード」に発表された研究によると、世界で販売されている哺乳瓶の82%超がポリプロピレン製となっている。
この研究によれば、ポリプロピレン製哺乳瓶に常温の水を注いで60秒間振ると、1リットルあたり数十万個のマイクロプラスチックが放出された。また、粉ミルクを溶かす際の推奨温度である70度のお湯を注いで振った場合は、同最大1600万個のマイクロプラスチックと数兆個もの微小なナノプラスチックが放出された。ポリプロピレン製哺乳瓶で育てられる乳児は、毎日100万個のマイクロプラスチックにさらされるという。
プラスチックとしては相対的に安全
ただ、ポリプロピレン製哺乳瓶はBPAを含まないため、米国小児科学会(AAP)などいくつかの団体から安全な選択肢として推奨されている。ポリプロピレンは、食品と接触してよいものとしてもFDAから認められているので、食品容器やストロー、ケチャップのボトル、ヨーグルト容器、薬瓶などにも使われている。ポリプロピレンは広く使用されているプラスチックのひとつであり、米環境保護局(EPA)によると、耐熱性が高いためほかのプラスチックより安全とされる。非営利団体のクリーン・プロダクト・アクション(CPA)は、ポリプロピレンを「最も害の少ない」プラスチックのひとつに挙げている。
(forbes.com 原文)