現在43歳のヒルトンは、2022年と2023年に続き、社会サービスプログラムに関する財政立法を形作る役割を持つ下院歳入委員会で証言した。彼女は、かつての「青少年向け居住治療施設」での体験について語り、16歳の時に「真夜中にベットから引き剥がされ」、この施設に連れて行かれたと語った。
ヒルトンは、2年間「強制的に薬を投与され、スタッフから性的虐待を受けた」と述べた。さらに、「暴力的に拘束され、裸にされ、独房に投げ込まれた」と付け加えた。
彼女は、議員らに対し、青少年向け居住治療施設での虐待防止を目的とする法案のStop Institutional Child Abuse Act(施設における児童虐待防止法)の可決を求めている。
「この年間230億ドル(約3兆7000億円)の産業は、問題を抱えた若者を金のなる木と考え、意味のある監視を受けずに運営されている」とヒルトンは語り、親の保護を受けられない子どもたちがトラウマを経験していると述べた。
施設における児童虐待防止法の法案は、カリフォルニア州の民主党のロー・カンナ議員が提案し、2023年4月に提出された。この法案が承認されれば、作業グループが設立され、プログラムの最善の運営方法についての正式な勧告や、リスク評価が行われる。
ホテル経営者のリック・ヒルトンとキャシー・ヒルトンの娘であるヒルトンは、10代の頃、ニューヨークの五つ星ホテルで家族と暮らしていたが、夜な夜なホテルを抜け出しパーティやクラブに出かけていたという。そのため、両親は彼女の携帯電話やクレジットカードを取り上げて罰したが、それでも彼女はいうことを聞かなかったため、両親は彼女をユタ州の行動医療センターに送ったという。
2020年のドキュメンタリー番組『This is Paris』で、ヒルトンは初めてユタ州の施設に対する告発を行い、「これまで誰にも公開したことがない話なので、衝撃的だろう」と語った。彼女は2021年にワシントン・ポスト紙に寄稿した記事で、自身が「問題のあるティーン産業」の一部であったと語り、「独房に閉じ込められ、壁が引っ掻き傷と血痕で覆われた部屋に入れられた」と書いていた。
ドアの向こうの現実
ヒルトンはまた、「監視されていたために虐待を報告できなかった」と語り、議会に対し、このようなケアを受ける若者を守るための法律を整備するよう呼びかけていた。ヒルトンは26日、これらの施設の問題の一部は、大人たちが閉ざされたドアの向こうで何が起こっているのかをほとんど知らないことにあると語った。彼女は、自身の両親が「このような営利産業による非人道的な扱いについて嘘をつかれ、操作されていた」と述べた。ヒルトンはまた、「州によってそのような場所に送り込まれ、様子を見に来る人がいない若者の気持ちを想像してみてほしい」と付け加えた。
(forbes.com 原文)