もう1つは、繋がることももちろんすごく重要ですが、振り子の理論で考えると、繋がらないみたいことも同じくらい大事だと思っています。ADDressを使う上でも、繋がらず、1人になりたいから、海沿いの2階の見栄えがいいところでぼーっとするみたいな使い方もあると思ってて。 それも自分にとっての拠点になると思うし、何にも繋がらなかったり、場としての拠点を持たないでいいという発想も、自分の心の充足度をより高めてくれるんじゃないかなと思っています。
島田:自分と繋がるのが結局1番大切というか、 ウェルビーングの原点ってそこにしかないんです。私たちは、いろいろな事を考えて、自分の外側に意識を向けてることの方が多いんですよね。
でも、その意識を、本当に一瞬でもいいから自分に向けることができていたら、別にどこか行かなくたっていいんですよ。目を軽く閉じて、ちょっと呼吸に意識を向けることが、ある意味マインドフルネスの状態になり得るんです。その時間を持ってるだけで、ものすごく休まるんですよね。
──普段は、仕事のことなどで頭がいっぱいの方が多いと思うんですけど、ご自身の声を聞く機会を意識的に、 かつ自然に実践できると切り替えて行きやすくなっていくのかなとヒントをいただきました。
齋藤:考え方のパラダイムシフトを起こさなきゃいけないなと思います。どう変えるのかというと、フルコミットで自己犠牲しない方がうまくいくという考え方にしていくんです。
特にビジネスの思い込みで、 時間を使えば使うほどいいとか、自己犠牲でも頑張ればいい結果に繋がると思ってる人が多いと思うんですよね。以前は、そういう風にした方がいいと思っていました。しかし、そんな生活をしない方が人生はうまくいくっていうのにもっと気づいていかなきゃいけない。
佐別当:そうですね。本当にその通りだなって最近思っています。
齋藤:もう少しビジネス的に具体例に落とすと、 1つは頑張らない方がうまくいくっていう仮説があると思っています。
今、僕が力を入れて実践しているのは、元の価値観を大切にすること。みんなそれぞれこれまでの経験から培った価値観があり、それを大切にするっていうことと、 苦手な分野をやらないというのはすごく大事にしていて、実践してみると、結構ビジネスがうまく回るようになっています。
例えば、僕はビジョンを語ったり、未来に向けて投資家の人と話し合ったり、新規事業を作っていくというのはバリバリ得意で楽しいんですね。かたや、 細かい進行管理やマネジメント、採用なども、プロフェッショナルの人に任せています。そうすると、どんどん事業も良くなるし、自分もすごくヘルシーに働くことができるんですよね。
僕はこれはできませんっていうのを宣言するのは結構勇気が必要だと思いますが、それをみんなが持ち始めると、本来持っている自分の強みだけに集中できる社会ができると思うんですよね。