JPMの株価は米国時間6月26日現在、約197ドルで、私たちが算出した目標株価の208ドルを約5%下回っている。
株価パフォーマンス
現在の金融情勢を背景に、JPMは2021年1月初旬につけた120ドル台から現在の水準まで約65%という極めて力強い上昇を見せている。驚くべきことに、JPMは過去3年間、いずれも市場全体をアウトパフォームしている。2021年のリターンは28%、2022年はマイナス13%、2023年は28%だった。これに対し、S&P500のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年は24%だった。直近の決算動向
2024年度第1四半期の売上高は419億ドル(約6兆7000億円)で、前年同期比9%増となった。その主な要因は、法人部門の売上高が124%急増したことが挙げられる。また、コンシューマー&コミュニティ・バンキング部門も7%の売上増、コマーシャル・バンキング部門が13%増、アセット&ウェルス・マネジメント部門が7%増となった。全セグメントにおける純金利収入(NII)は前年同期比11%増と大幅に改善し、売上高に占める割合は約60%に達した。費用の面では、貸倒引当金繰入額が17%減の19億ドル(約3046億円)となったが、非金利費用の合計が13%増加したことでコスト削減効果が相殺された。当期純利益は前年同期比6%増の134億ドル(約2兆1200億円)となった。2023年度の通期売上高は前年度比23%増の1581億ドル(約25兆3000億円)となったが、これは主にNIIが前年度比で34%急増し、非金利収入も11%増加したためである。費用の面では、引当金繰入額が64億ドル(約1兆円)から93億ドル(約1兆5000億円)へと増加し、損益上のマイナス要因となった。とはいえ、その影響は、売上高に対する非金利費用の比率が低下したことでいくらか相殺された。その結果、通期の当期純利益は前年同期比32%増の496億ドル(約8兆円)となった。
結論
私たちは第2四半期以降も同様の成長が見られると考えている。第2四半期の売上高とEPS(1株あたりの純利益)の市場予想は、それぞれ409億9000万ドル(約6兆5700億円)と4.40ドルだ。また、2024年度における通期の売上高は1658億ドル(約26兆5000億円)に達する一方で、調整後の純利益率は若干低下し、GAAPベースの年間EPSは16.42ドルとなると予想されている。私たちはこのEPSに13倍弱のPER(株価収益率)を掛け合わせ、冒頭でも紹介した208ドルの目標株価を算出した。
(forbes.com原文)