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2024.07.04 09:15

海洋国家日本で進む「ブルーカーボン」活用とは

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日本は、二酸化炭素(CO2)を回収・貯留し、そのクレジットを販売することでCO2排出量を相殺し、さらなる環境保全活動を支援するブルーカーボン・プロジェクトに取り組んでいます。

さまざまな機関とパートナーシップを結び、適切な専門知識を活用しているように、日本におけるブルーカーボンの取り組みを成功させるためには、官民の協力が不可欠です。

縮小するアマモや海藻の再森林化、日本の広大な海域の利用など、自然資本の効果的な管理が地域社会の経済的流れを改善する可能性があります。

4月、横浜の湾岸地域に100人以上のボランティアが集まり、アマモを海底に植える活動が行われました。日本は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げており、海洋資源を活用した地球温暖化対策を推進する日本初の取り組みである「横浜ブルーカーボン事業」が2011年に発足しています。

また、福岡市による、博多湾ブルーカーボンオフセット制度は、博多湾のアマモなどの藻場が吸収・固定した二酸化炭素(CO2)をクレジット化。このクレジットは「博多湾ブルーカーボン・クレジット」として販売されています。

同制度を利用して、個人や企業が、日常生活や事業活動において削減できないCO2排出量をオフセット(相殺)することができます。収益金は、「博多湾NEXT会議」によるアマモ場づくりなどの環境保全活動に役立てられます。

カーボンストレージ(炭素貯蔵)におけるブルーカーボン生態系

「ブルーカーボン」という言葉は、2009年10月に国連環境計画(UNEP)が発表した報告書で紹介されました。この報告書では、海草藻場、海藻藻場、湿地・干潟、マングローブ林などの海洋環境に蓄積された炭素の吸収源対策の新たな方法としてブルーカーボンを取り上げています。これらの「ブルーカーボン生態系」は、CO2の隔離・貯留に重要な役割を果たしているのです。

2024年4月に行われた国連への報告によると、2022年度の日本の温室効果ガス排出・吸収量は、約10億8500万トン(CO2換算)。これは2021年度比で2.3%(約2510万トン)の減少、2013年度比で22.9%(約3億2210万トン)の減少となり、2050年ネットゼロに向けた順調な減少傾向を継続しています。

また、ブルーカーボン生態系のひとつである海草藻場・海藻藻場の吸収能力が約35万トンであることも示されています。この数値は、国土交通省(面積データ)、農林水産省(藻場タイプ別の吸収係数)との連携により、世界で初めて、海草藻場及び海藻藻場の吸収量を合わせて算定・報告したもの。今後は、塩性湿地・干潟の算定についても検討していくとされています。
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文=Naoko Tochibayashi, Communications Lead, Japan, World Economic Forum

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