健康

2024.07.05 16:45

新型コロナワクチンの副作用はある程度コントロールできるのか

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新型コロナのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを接種した人のなかには、注射したあたりが赤く腫れたり、熱が出たり、腹痛や下痢などの有害事象を経験する人がいる。それを嫌がってワクチン接種を避ける人もいるが、生活習慣を整えることでワクチンの有害事象を減らせることがわかった。

岐阜大学では、大学生を対象に新型コロナワクチン接種の有害事象について調査を行った。接種者には有害事象が現れた人が非常に多く、たとえば1回目を受けた1624人の9割近くに、接種した部位に腫れや疼痛などの症状が、約6割に倦怠感や頭痛など全身的な症状が現れた。2回目、3回目では、ほぼ9割の人が接種部位と全身に有害事象が出たが、入院を要するほど重篤なものはなかった。

もちろん、学生たちの間には症状の強弱がある。なぜそうした差が出るのかを調べたところ、接種回数、朝食、BMI、睡眠の4つの要因が浮かび上がった。傾向として、ワクチン接種回数が多い女性は接種部位の症状の発生率が高かった。また、朝食を摂る頻度が高い人は、接種当日の全身的症状の発生率が低かった。

さらに詳しく見ると、BMIが高い人ほど、接種部分が赤くなったり、頭痛、発熱が起こりにくかった。朝食は、少なくとも週2回以上摂っている人は接種部位のかゆみが少なく、毎日摂っている人は腹痛や下痢が明らかに少なかった。腹痛と下痢に関しては、睡眠時間が長い人も発生率が低かった。

新型コロナワクチンは、新型コロナウイルス感染症の重症化を予防するものとして世界的に有効性が認められているものの、有害事象を警戒する人も多い。今回の調査では、少なくとも大学生のmRNAワクチン接種に関しては、ほぼ全員に何らかの軽い有害事象が発生するが、健全な生活習慣を保てば症状を軽くできることがわかった。なににせよ、よく眠る、朝ごはんをちゃんと食べる、肥満は問題だが痩せすぎにも注意することが大切だ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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